現在設定されているタイムゾーン
(GMT+09:00) ソウル、大阪、札幌、東京
フォローは500キャラクターまでしか登録できません。予期せぬエラーが発生しました。
Menou Eight (Cornelia) さんの日記
日記トップ
エオルゼア秘話3(ドリュー編)
私はウルダハ市街の路地裏に足を運んだ。
ここの物乞いたちは、常に迷い込んだ子羊を狙って目を光らせている。
「ひもじいときは、じっと動かない方がいいんだ。
カモが通りかかったときは、咳きこんだりする演技が必要だけどね」
本気なのか、それとも強がっているのかは分からない。
とにかく、目の前でうずくまっている青年「ドリュー」はやつれていた。
衰弱していると言ってもよい。

少し前まで「記憶を見せる者」として、ウルダハで名の知られた男だったらしいが、
今では見る影もない。
何故、彼はこんなにも落ちぶれてしまったのか。
そもそも、本当にそんな特異な能力があったのだろうか。

私は今回、冒険者ギルドを通して、彼の恋人からこの男の捜索の依頼を受けていた。
「君がドリューだね。私は君の恋人から、君の捜索の依頼を受けた」

彼は黙っていた。私は聞いているものと仮定して話を続けた。
「君は今どこに住んでいるんだい?私は君の彼女に、君の所在を報告しなければならない」
ドリューは笑った。
「アンタは、物乞いの所在なんてどうやって報告するんだい?」
「それならば私が君を、君の彼女のところまで連れて行くまでだ」
私はドリューの腕を引いた。しかし、彼はその手を振り払った。
「やめてくれ!俺に触るな!俺が最後に引き継いだ記憶をアンタに見せちまう!」
「最後に引き継いだ記憶・・・?」
一体どういうことだろうか。私は彼の能力をよくは知らない。ウワサで耳にしただけだ。
「君は記憶を見せる者だったはずだ。それと何か関係があるのかい?」

またドリューは黙ってしまった。私は話をかえることにした。
「まあ、その話はあとだ。まずはこれを受け取ってくれ。君の彼女からの手紙だ」
私は懐から手紙を出し、彼に差し出した。
「アイツから・・・?」
彼はそれを受け取り目を通した。その内容を私は知らない。
手紙を読み終えた彼は私を見据えて言った。

「・・・いいだろう。話してやるさ。今となっては昔の話だからな」
彼は私に、彼のその特異な能力について語ってくれた。


彼は、記憶を見せる者。
その能力は、見せる相手の記憶の一部と、自分の見せたい記憶とを入れ替えるというもの。
それは次のルールに基づいて行われる。
記憶を見せた相手が、見せられた記憶を受け入れられることが大前提。
受け入れられた場合は、見せた相手の記憶の一部と、今見せた記憶が入れ替わる。
受け入れられない場合は、見せた相手の記憶の一部が失われ、入れ替えは成立しない。


「つまり俺は、誰にも受け入れられない記憶を手に入れちまったんだ。
おかげで、俺はただ一方的に相手の記憶を消しちまうだけの存在さ」
ドリューは吐き捨てるように続けた。
「こんな記憶さえ手に入らなければ・・・!」
彼の押し殺した怒りからは後悔の念が感じられた。
私は、彼の見せる記憶とやらに興味が湧いた。冒険者の好奇心というやつだ。
「いいだろう。ドリュー。君の記憶を見せてくれ」

「な・・・やめてくれ!この記憶を受け入れられる奴は誰もいないんだ!」
私は冒険者だ。どんなことでも受け入れる覚悟はできている。
「ドリュー、君はまた力を取り戻して、彼女の元へ帰りたいんだろう?」
その一言で彼は決心した。

「それじゃあ、今からアンタの記憶の一部と、俺の持っている記憶を入れ替える。
俺はどんなことでも受け入れると言ったアンタの言葉を信じる」
私は静かに頷いた。
ドリューの手が私の額に当てられる・・・。それは深い眠りに落ちたような感覚だった。




私は何故ここにいるのだろうか。

ここに誰かがいたような気がする。

私は壮大な冒険を終えたような充実感を胸にこの場をあとにした。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
【反省会】
ドリューの特殊能力の設定がややこしいですね。
コメント(20)
タグ [冒険]
投稿日時 : 2010年11月20日 11:55
この日記を削除しますか?

コメント
ドリューは開放されたのでしょうか。
あなたの記憶を引き継いだドリューが心配のようなそうでもないような。

めのうさん後姿カッコいいですね。でも生足を出しすぎだわ。そろそろ寒さが厳しくなるから冷やしすぎないようにね。
Early Bloom (Cornelia) 2010年11月20日 13:21
ドリューの行方が気になりますw
冒険者の記憶から消されたドリュー・・・ドリューの記憶は受け入れられなかった・・・スルーのせいでしょうかw?(笑)

ちょっとミステリアスな雰囲気でした♪

こうやってNPC一人ひとりの物語を見るのは楽しいですね!
隣のララっちょは格闘のクエのNPCですねw
あっちにもこっちにもいるNPCをメノウ色にした物語をまた、楽しみにしてます^^v
Nami Swan (Karnak) 2010年11月20日 14:38
初コメ失礼をば。
声出して爆笑しましたwwwwwwwwww
おもしれええええええ
Shyu Gachinomuchi (Trabia) 2010年11月20日 19:31
対モルボル戦でアッサリ倒れたあの青年…
戦闘終了後も、なにげにスルーでしたねw

フカフカのローブに寒々とした生脚… 素晴らしいバランスです!
Cupid Kewpie (Cornelia) 2010年11月20日 19:40
Early Bloom様
ドリューは、どうなったんでしょうね~。
入れ替えられた記憶が、彼の人格に悪影響を及ぼさないといいのですが(笑
ありがとうございます!足の出しすぎには気をつけるようにします~。

Nami Swan様
最後まで読んで頂き、ありがとうございました~。
ネタばらしをしますと、冒険者の記憶の一部は、ドリューとのやり取りだったんです。
したがって、新しく大冒険の記憶を得られたということに気づいてはいません。
力を取り戻したドリューは、きっと彼女の元へ帰っていったことでしょう。
今回はミステリアスな物語に挑戦しましたが、それなりにいいまとめ方が
できたように思います。次は誰でどんな話を書こうかな~。
NPCの物語を考えるのは楽しいです。どんどんNPCを私色に染めていきたいです(笑
ですが、スクエニにも頑張ってほしいですね~。NPCのクエストの追加を望みます!
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月20日 22:31
Shyu Gachinomuchi様
楽しんで頂けたようで嬉しいです!
これからも頑張って書いていくので、
末永く見守りくださいませ(笑

Cupid Kewpie様
あえて戦闘終了後もスルーしました(笑
結局あれはなんだったんでしょうね~。
誰も受け入れられなかった理由は分かる気がしますが(笑
服装については、なかなかいいバランスで着こなしていると
自分でも思っています。
キューピッドさんにもオススメのファッションですよ!
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月20日 22:35
記憶を見せる者というのもMenouさんの設定なんですか?
すごいですね。ちょっと難しいけどとても引き込まれました。
Sham Rock (Cornelia) 2010年11月20日 22:50
ドリューさんの記憶は、本当に誰も受け入れられなかったのかな、と思いました。
共に時間を過ごした戦友なら、あるいは愛する人なら、分かち合えたんじゃないかなぁ
Ukit Grey (Cornelia) 2010年11月20日 22:59
Sham Rock様
オリジナル設定です。何でこんなことを思いついたんでしょう?(笑
本当はもっと違う設定にしたかったのですが、大人の事情というやつで
今の設定になりました(笑
でも、怪我の功名というべきか、結果的に面白い設定になったように思います。
相変わらず、文章は稚拙ですが(笑

Ukit Grey様
確かにそうですよね~。少し練り込みが甘かった気がします。
そうかもしれませんね。彼の能力がもっと違う形で人々の役に立てたのなら、
あるいは、多くの味方がいたのなら、分かち合えたのかもしれません。
実は裏設定で、冒険とは無縁の生活をしていた彼女の記憶を
消してしまった経緯があるんです。
何の記憶を消したのかまでは考えていませんが(笑
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月20日 23:13
こんにちは。お騒がせしました。
オボロさんが空を飛ぶ日記のあたりから読んでたんですが
だいぶ腹筋やられました。もう息できないです。

ドリューがとんでもなくかわいそうな過去(変な冒険者がいる)を持っているのに泣けてきました。
彼がいなくなった後味が・・・世にも奇妙な物語に似ています。(笑
ウルダハは謎が多いんですね・・・行くのが怖くなってきました。

そして、妙なシャウトやってたんですねー。
通報されませんでしたか?何人の女性を泣かせたかヒヤヒヤしました。
Juubee Sanada (Cornelia) 2010年11月21日 00:22
何というか、オープニングが紛れた時点でモルボルにやられるメノウさんを期待してしまった自分が恥ずかしいです

期待通りで安心しました
Lottie Ritchie (Mysidia) 2010年11月21日 02:11
Juubee Sanada様
お久しぶりです。お元気ですか?私は元気です。
相変わらず珍妙な日記を毎日更新中です。
ドリュー編は、確かに世にも奇妙な物語に似ていますね~。
潜在的に影響を受けてしまっていたのかもしれません。好きでしたから(笑
シャウトでは通報されていませんねぇ~。
もしかしたら、通報件数が多すぎてGM側の対応が追いついていない
だけなのかもしれませんけど(笑
ちなみに泣かせた女性は数知れずです。
私の見てくれがあまりにもひどいので、その場で哀れみのあまりに
涙を流してしまうんだとか・・・全女性が泣いた!

Lottie Ritchie様
ご期待通りにできて嬉しいです(笑
今回は主人公が変な冒険者だったので、ネタを紛れ込ませてみました~。
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月21日 03:41
前の日記のレスに対するレスですが・・・
一度も寝坊による遅刻が無い・・・!?
メノウさん、どれだけまじめなんですかっ
今日は日曜日。
今日やることをイメージしたら早起きできるんですね!?
いまから実践しますね・・・・
Noel Alcard (Cornelia) 2010年11月21日 03:55
Noel Alcard様
いや~、真面目というか、
普通に同じ時間に起きているだけなんですけど(笑
お休みの日をイメージしながら布団に入っても
逆に安心してしまって起きられない気がしますけど(笑
とりあえず、試してみてください~。
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月21日 05:36
おはようございます。
NPCの知られざる設定、毎回興味深く読まさせていただいてマス☆
設定もスクリーンショットも決まってて、すごいです(o^-')b
Aropa Oropa (Cornelia) 2010年11月21日 07:23
Aropa Oropa様
読んで頂きありがとうございます。
NPCの設定を勝手に作っていいものかは分かりませんが
楽しく書かせて頂きました。
SSは、ホント何をやってるんでしょうね~(笑
でも、確かに決まっていますね!(自画自賛
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月21日 07:26
こんばんは。今回もとても楽しかったです。^^
中盤までは泣いてしまいそうな顔をして、僕は読んでいました。でも、オープニングのところは一転して笑ってしまいました!ミコッテへの一言が、僕はとっても好きです!w
本当に楽しかったです。ありがとう。^^
Henri Charpentier (Saronia) 2010年11月21日 22:20
Henri Charpentier様
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました~。
オープニングのところは、意識的に笑いをとってみました(笑
全体的にはいいバランスにまとまったかな~と思います。
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月21日 22:33
だめww 中盤www
秀逸wwww ベストセラーwwwww

めのうさん 物語ランクがめきめきあがってきますー!!
Leera Ofresia (Palamecia) 2010年11月22日 05:14
Leera Ofresia様
中盤は雰囲気を若干ぶち壊していますが、
そこは今回の主人公が彼なので、許してあげてください(笑
意外によく出来たので、今のところ私の中でもベストです!
段々とコツがつかめてきた感じがしますよ~。
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月22日 08:12
このコメントを削除しますか?
日記トップ
コメント記入
コメントを記入するにはログインする必要があります。
The Lodestone以外のウェブサイトに移動しようとしています。
移動を実行しますか?

※スクウェア・エニックスは、リンク先の内容に関して、またそのウェブサイトを利用した際に生じたいかなる損害についても一切の責任を負いません。他のウェブサイトについては、ユーザー自身の責任において閲覧・利用するものとします。

最新の日記10件

タグ

最新のコメント10件