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Menou Eight (Cornelia) さんの日記
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エオルゼア秘話4(フ・アボッジ編)
「わが祈りよ届け、リムレーンの風にのって・・・・・・」
私は今日も祈りを捧げていた。
私の名前は、フ・アボッジ。
リムサ・ロミンサの慰霊碑前でいつも祈りを捧げている者。
私の祈りはあの日から──妹が嵐の海に消えてから。
あの時、私が手を離さなければ・・・今も悔やまないときはない。
せめてあの子が安らかに眠り続けられるように。
これが私にできる償い。

「おう!ねーちゃん!ナニ辛気臭い顔してんだ、バーロォ!ヒックッ」
今日も変な冒険者が私に絡んできた。
彼は、いつも仕事にありつけず、情けないことに昼間から酒をあおっては
日々精一杯生きている人々にその無念をぶつけている男。
「・・・あなたもいい加減冒険者以外の道を探したらいいのに」
「うるせーやい!てめーに、俺のナニがわかるってんだウィー」
本当にいい加減にしてほしい。
慰霊碑の前で騒がれては、妹も静かに眠れやしない。
「何も知りたくありません。ここは神聖な場所です。
静かにできないのなら立ち去りなさい」
「ハイハイ~、邪魔者は退散しますよ~ダ。フヒヒィ~」
変な冒険者は、千鳥足で歩きながら去っていった。
ほんの一瞬、こちらを見て私と目が合ったが、特に気にはしなかった。

また次の日も彼はやってきた。いつものように。
「あなたも暇な人ね。今日も仕事にありつけなかったの?」
「ヒヒヒ・・・おうよ!だからまた会いにきてやったぜ」
「残念ね。私はあなたには会いたくはなかったわ」
「つれねーこと言うなよ~。来たっていいだろゥい」
私は愚劣極まりない彼に、妹の話をすることにした。
これ以上ここを汚さないでほしい、彼にそれを分かってほしかったから。
「ここには私の妹が眠っているの。正確には妹は海の底だと思うけど」
変な冒険者は眠いのか、ウトウトしながら私の話を聞いていた。
「私はあの定期船沈没事故の生き残りなの。
妹はそのときに海に投げ出されて死んだわ」
私は独り言のように話を続けた。

冒険者だった妹は、ある日私に見せたいものがあると言ったわ。
そして、次の日、私たちは定期船に乗り、嵐に遭遇した。
あの子は最期に自ら私の握る手を離した。
だから、私は毎日祈りを捧げているの。妹が安らかに眠れることを願って。
それが私にできる償いだから。

私は唇を噛み。自分の手の平を見つめた。
「ねーちゃん、妹が見せたかったものを知りたくないかい?」
それは唐突な一言だった。変な冒険者は真剣な眼差しでこちらを見ていた。

ここは定期船の甲板の上。夜明け前にフェリードックを出航しました。
「さぁて、そろそろだ」
変な冒険者は、東の空を指差した。
「これがリムレーンの宝石と呼ばれる日の出さ」
「妹はこれを・・・?」
変な冒険者は、目を細めて続けた。
「冒険者の間では、このリムレーンの宝石を大切な人に見せると、
お互いにどんなに離れていようとも、
心が通じ合えるという伝説みたいなもんがあるんだ」

それはまるで光輝く宝石のようだった。

『お姉ちゃん。ありがとう。大好き』

そのとき、妹の最期の言葉を思い出した。
私は膝をついて、ただひたすらに泣き崩れた。

それから変な冒険者が慰霊碑の前に現れることはなかった。
でも、時々誰かが慰霊碑に花を手向けていたようだった。

私は今日も祈りを捧げていた。
もう二度と同じような悲劇が繰り返されないようにと。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
【反省会】
今回は全然ダメダメでした。
フ・アボッジさんは、想像以上に手ごわかったです。
イマジネーションが湧かないというかなんというか・・・。
後半はいい加減な感じにまとめてしまいました。
さらに、甲板から日の出を見ようと思ったのですが、
タイミングが合わず、さらに霧も出ていて、
撮影においても不十分でした。
結局適当にSSを加工して終わりです。
次につながる一歩として捉えます。
ただ一つ言えることは、姉妹ネタは嫌いじゃないです。
コメント(8)
タグ [冒険]
投稿日時 : 2010年11月28日 07:32
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コメント
反省について。
いや、十分考えてると思いますよ?
そこにいるNPCでいかに話を作っていくのは、大変だなと毎回思いながら読ませてもらってます。
次回はどのNPCの話が聞けるのか、楽しみしてます~ヽ(*´∀`*)ノ
Hiro Clive (Cornelia) 2010年11月28日 11:11
リムレーンの宝石・・・とっても綺麗な景色です。
晴れている時の日の出を見たことはないですが、この霧の日の出も素敵ですね~(*´ω`*)
私も日の出を狙って船に乗ってみようっと
Ukit Grey (Cornelia) 2010年11月28日 15:42
Hiro Clive様
確かに。改めて読み返してみると、
これはこれで良いような気がしてきました。
ダメだと決め付けていました。
大切なのは、例え自分の書いたものであっても
その良さを見つけることなのかもしれませんね。
発想の源は、このNPCとこんな物語を演じたいという思いです。
あ、だから女性キャラとの物語が多いのか!(笑
次回はどのNPCの物語を書こうかな~。

Ukit Grey様
リムレーンの宝石は、見ることが難しそうです(笑
というのも、日の出の時間から少し遅れて船が出航するからです(汗
それでも、日の出に近い状態の光景は見られると思うので、
是非一度見てみるといいかもしれません。
時々、狙っていた光景と違ったものに遭遇することがありますが、
逆にその方が美しかったりしますね~。奥が深いです、エオルゼアは。
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月28日 17:25
いやいやいやいや、十分なレベルかと・・どんだけ上を目指しているんですか!?
そこまで言うなら次、期待してますね!w
Tri Tetra (Cornelia) 2010年11月28日 17:36
Tri Tetra様
いや~。プレッシャーになるのであまり期待しないでください(笑
でも、もっと上手く書きたいと思う気持ちはあります。
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月28日 18:38
お姉さんも妹さんも辛いね・・・。
タイタニックや9・11の出来事を思い出しました。
無理だと分かっていても、残すほうにも、残されるほうにもなりたくないものです・・・。
Efemera Revo (Cornelia) 2010年11月29日 01:48
Efemera Revo様
そうですね・・・。
親しい人を亡くした悲しみは、そう簡単に消えるものではありません。
もしかしたら、永遠に消えないかもしれません。
そういう方々にもいつかは幸せになってほしいと願います。

・・・っていうか、誰も酔っ払いの変な冒険者には
突っ込みを入れないのね(笑
Menou Eight (Cornelia) 2010年11月29日 03:22
段々とメノウさんのイメージが「冒険者」になっていきます
もちろんメノウさんはずっと冒険をし続けてきた訳ですけど
最初の頃は冒険を紹介する「妖精さん」のようなイメージでした
サブリガのせいですね、きっと
もちろん、この「冒険者」もミステリアスな雰囲気がありますけどね

ボクは何故か一瞬フ・アボッジをフジツボと読み間違えました
Lottie Ritchie (Mysidia) 2010年11月29日 03:32
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