プロフィール。 |
このページには、虫食い条文の作者(桂川直己)の自己紹介を掲載しています。
仕事;
弁理士として、大阪市北区で特許事務所を開いています。
特許事務所では発明をした人から話を聞いて、どんな発明かをその人の代わりに文章で書いて、必要なら図を描いて、それを特許庁に送ります。特許庁にはどんな発明かを審査する審査官という人がいて、一定の基準を満たしている発明だとその人が思ったら特許をくれます。私はその文章(明細書といいます)を書いたり、図面を描いたりする仕事をしています。特許明細書を書くという仕事は、発明者の閃きという目に見えないものを、言葉で正確に写し取る作業ということができます。特許権というのもまた目に見えないもので、明細書に書く一つ一つの言葉が、その権利の透明な境界を定めていくことになります。
このために必要になるのは、
・発明者のアイデアの本質とその価値、あるいはその潜在的可能性の広がりを正確に把握するための的確な洞察力、
・言葉の意味の広がりとその限界を余さず捉える国語的感性、
・意図したことを文章で精緻に伝えることができるリテラシー能力
だと、私は考えています。
これらの能力はいずれも本質的なもので、自動車のエンジンのようなものです。三つのうちいずれか一つでも十分に備わっていないと、それだけで弁理士としての適性を決定的に欠くことになると言ってしまって良いくらいです。大変難しい仕事です。もしこのような仕事に本当に興味がある人でしたら、私の勤めている特許事務所とは違う事務所になりますけれども、山内特許事務所のホームページを閲覧されることをお勧めします。私が弁理士を志して、会社から特許事務所への転職を考えていた24才のころ、このホームページの(特許事務所入門)からたどった(技術系弁理士の実体的要件)(本音で語ろうQ&A)を読んで、強く勇気付けられたことを覚えています。
弁理士になってからここのホームページを最近久しぶりに拝見して、同じように強い感銘を受けました。環境が激変する中で自分はどのようなプロフェッショナルであるべきなのかという課題についての、厳しくかつ説得力ある一つの回答が、そこには提示されているような気がします。
弁理士になるってことはきっとつまり、これからずっと、自分の頭で稼いで生きていくってことなんですよね。2002年の12月から、侵害警告を受けた特許の無効審判の仕事に関わりました。平たくいえば、「あなたのところで作ってる商品はうちの特許を侵害しているから、お金払って」って言ってきたので、「その特許は何かの間違いで特許になったものだから、無効にしてくれ」と特許庁に要求する仕事です。
相手方との交渉の場面で私の作った無効審判請求書を相手方に見せたところ、態度が軟化し、相手方の要求額を大幅に下げることが出来たんだそうです(特許庁に無効審判を請求するところまで行かずに解決しました)。文章の論理的な繋がりを壊さず、それと同時に勝てる可能性をギリギリまで探りながら書類を作成するように心がけた結果、クライアントには満足して頂いたようです。2003年の中で嬉しかった出来事の1つです。
資格;
このホームページを開設した頃の私は、特許の仕事を専門にする人の資格試験(弁理士試験といいます。)の受験生でした。
この資格をとると、自分で特許事務所を開くことができます。
資格をとるには試験に合格しなければいけません。この試験は難関です。三次試験まであります。
→とか言ってたら、おかげさまで弁理士試験に受かりました。しんどかったー。2001年1月に弁理士登録しました。
プログラミング;
私は明細書を書くのに、Microsoft Wordを使っています。受験生だったときは、試験の資料作りもWordを使ってやってました。
Wordのカスタマイズはとても強力です。WordのVisual Basicで作った明細書作成に便利なマクロとかを、皆さんにそのうち見てもらおうかなと思ってます。(マクロって、一連の作業を自動的にやってくれるプログラムのことです。Visual Basicとは、それを作るプログラム言語のことです。)
→ 明細書から符号表を自動作成するWord2000/2002用テンプレートを開発して売っております。「とりあえず、符号表。」という名前です。4200円+αですけど、よかったら皆さんもお買い上げ下さい。けっこう便利ですよ(思わず営業してしまいました)。今まで延べ20本位、買ってくださる方がいらっしゃいました。ありがとうございます。このほかにも、「機体フレーム10」等の<要素名+符号>を自動入力可能にして明細書を速く書けるようにするWordテンプレートをこつこつ作っていましたが、やっと完成しました。こんな風に明細書を書けたらいいな、という長年の夢がまた一つ叶いました。
仕事を早く上げるようにして時間を浮かせて、そうして作った時間を、明細書を更に速く書くテクニックを開発するための時間に充てる、そういうサイクルを自分の中で回していくのが実はとても大切なことだと 、個人的に考えています。明細書や図面を普通の人より1秒でも1分でも速く書けるノウハウを修得できるのであれば、日々の大変な仕事も救いが出てくるってもんです。 機会があったら試してみてください。
このプログラムについては、個人的に特許出願しています。もし特許になってしまったら、日本でこういう明細書の書き方ができるのは私だけってことになってしまいますね。皆さんすみません(笑)。最近はネットワークプログラミングにはまって、IPDLから公報を自動ダウンロードするソフト「IPDL Download Daemon」を作りました。フリーなので、もし良かったら使ってください。バグが出たらすみません。
また、IPDL Download Daemon からメール送信してもらって、特許公報を蓄積する特許コーパスサイトを作りました。自宅サーバをはじめて立ててみました。日々特許公報を蓄積して成長するサイトです。もし良かったらお立ち寄りください。
CAD;
図面を描く仕事にCADを使ってます。AutoCadLT2004 というソフトです。このソフトを選んだのは、このソフトの上位版であるAutoCad2004という有名なソフトが、Wordと同じようにVisual Basicを使うことができるからなんです。将来AutoCadを使うようになったら、カスタマイズ好きの血が騒ぐでしょうねぇ。ですけど、うん十万もするので、いつのことやら。
そのうち、3次元CADのデータをお客さんから貰って、それから断面図をこっちで自動的に作って図面にする・・・なんてワークフローが実現するんでしょうね。ISODRAWというソフトや、XVLなんて技術も出てきたみたいですし。
最近お小遣いもたまってきたので、3次元CADソフトを買おうかなと思っています。ライノセラスというソフトなんですけど、ペンギンというプラグインを買えば、ノンフォトリアスティックレンダリング(例えば、手書きイラスト風のレンダリング)ができるらしいんです。つまり、特許図面みたいな線画の図面を簡単に作れる可能性を秘めている感じがして、かなり欲しいです。きっと買ってしまうんだろうなぁ。→やっぱり買ってしまいました。
ピアノ;
ピアノが大好きです。大学時代はピアノクラブなるサークルに入って、だいたい毎日朝5時半起きして大学のピアノを勝手に弾いてました。そして授業が始まる時間になると、帰って寝ます。4年で卒業できたのは何かの間違いでした。
弾いてた曲はショパンのバラードとか舟歌、幻想ポロネーズ、とくにショパンの後期の作品が大好きです。後期の作品になってくると、綺麗なだけじゃなく、曲の感じに内省的な、諦念めいたものが強く出てくるんですよね。
このころはプレリュードの作品45を練習しています。たまに新しい曲を譜読みするのも楽しいです。スタインウェイというピアノを買うのが夢です。美しいピアノです。けど1500万円位します。ふう。でもいつか絶対買うぞと思ってます。憧れです。
すべての音は、より深い静けさのために。
好きなピアニスト;
クリスティアン・ツィメルマン(ツィマーマン)というピアニストが大好きです。ポーランド人のピアニストで、50歳位になります(調べたところ、1956年12月5日生まれでした)。18歳の時に、ショパンコンクールという世界的に有名なピアノコンクールで優勝しました。日本にはあまり来日していないせいか、特に私の周りで名前を知っている人がなく、寂しい思いをしています (日本でもかなり人気が出てきた感もありますが)。しかし世界的には、現在最も重要なピアニストという評価が既に定着しているといってもよいと思います。正確なリズムが生み出す疾走感。重心の低いデモーニッシュな表現。これ以上ないというまでのデリケートな弱音。 クライマックスを含めた楽曲のどの部分においても、すべての音が明瞭に、透明に鳴らされる、極度の技巧と集中力。そして、これらを貫く、洗練された気品、音楽というものに対する誠実さ、歌う心。私の感情はすぐさま引きずり込まれ、常に、根底から強烈に揺さぶられます。
この人の噂として、スタジオでレコーディングしてもすぐに販売のOKを出さず、何年も時間をおいてから聞き直して、それで満足できたときに初めてCDを出すという話を聞いたことがあります。真偽は分かりませんが、確かにCD作品の数はとても少なく、そして、出すCDのほとんどすべてが、素晴らしいとしか言いようのないものです。またこの人は、演奏の質を維持するために、コンサートの回数を自分で厳しく制限しているということです。
この人のリサイタルに初めて行ったのは1997年です。この時は、間違いなく、私の生涯でもっとも幸せな瞬間の一つでした。聴き終わったあと3時間位は、ボーっとしていました。仮に私がたった一回でもこの人みたいに弾けたならば、もうこの世に思い残すことはないでしょうね。
2003年の来日時の音楽雑誌のインタビューでは、「私は楽器に興味があるのではありません。・・・私は音符には興味がありません。音色にもです。」なんてことも言ってます。あんなに綺麗な音で正確な音符を弾くツィメルマンがです!。ツィメルマンの楽器のこだわりも相当なもので、世界を回るコンサートツアーではホールのピアノを使わず、自分のピアノを持ち歩いてそれをリサイタルに使うことで知られています。
その発言の真意は、音楽家は音楽を作り出して作品のなかの物語を語るわけだけれども、その瞬間には楽譜もピアノ演奏も必ずしも重要じゃない、楽器は音楽を表現するために道具として使うだけだ、そういうことみたいです。この記事を読んだときは驚きましたが、ツィメルマンはもう単なるピアニストの枠をこえて、なんというか、音楽を作り出す人としての本質的な領域に達してしまっているんだなと思いました。この人がショパンのピアノ協奏曲を演奏するためにオーケストラを一から組織して、弾き振り(ピアノを弾きながら指揮することです)をしたCDがけっこう話題になりました。私も勿論買って聞きましたが、やっぱり綺麗です。
2004年始めにはラフマニノフの協奏曲が出ました。神様みたいに尊敬しているピアニストがラフマニノフの2番を弾いてくれるなんて、それだけでもドキドキです。
私が持ってるツィメルマンのCDの紹介はこちら。
2003年にツィメルマンのコンサートに行ってきた記録はこちら。
サーチエンジンは、なんとなくInfoseekが好きです。最近は、Googleというサーチエンジンを発見しました。かなり便利です。
このホームページは、Microsoft FrontPage を使って作ってます。ホームページを作るって結構楽しいものです。私が最初に作ったページは、自分の家にあるウサギのぬいぐるみを紹介したページ。今となってはたわいもないけど、それはそれ。見たい方はうーのご紹介のページへどうぞ。ここに紹介されている「うー」は、私の愛人であるという設定になっています。
「うー」って結構、ホームページを見て下さる女性に人気があったりします。うーちゃんなんて呼ばれたりしてるのを聞いたときは桂川も驚きました。
ちなみに、向かって左の白いのがうー(実物)です。大阪京橋のマザーグースという店で買ったんですが、もう売ってないみたいです。 |
二人に挟まれているくまは「まこと」といいます。大阪枚方市のビブレというお店で妻に一目惚れされて、我が家へやってきました。 |
だいたいはいつもこうやって寝てます。うーは、寝ててもにっこりです。 |
お気に入りの飲み物と一緒に写って、にっこりです。 |
桂川の帰りを待つ三人組。 |
神戸には王子動物園という動物園があります。パンダとかがいます。
最近、行ってきました。私のお気に入りはキリンです。とても大きいのに、歩く物腰がとても優美なんですよね。あと、優しい眼差し。見ていると、時間がとてもゆっくり流れる感じで、キリンの前で結構長居してしまいました。
妻に撮ってもらいました。 |
おしまい。最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
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