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「あの親方だけは絶対に許しません」―。

2010年11月27日17時00分 / 提供:ゲンダイネット

ゲンダイネット

●片山伸次さん

 日本相撲協会を解雇された琴光喜が東京地裁に起こした大関復帰を求める仮処分申請は年内にも判断が下されるという。白鵬の69連勝騒動は尻すぼみに終わり、相撲協会はまたまた頭が痛いことだろう。さて、きょう登場の片山伸次さんは今年6月、「フライデー」で、所属した阿武松部屋の力士の野球賭博との関わりや、親方と暴力団が交際していたことを“告発”した元幕内力士。その後、どうしているのか。

「自分が(野球賭博を)やってたことは、いずれ分かることじゃないですか。だったら包み隠さずにと思い、警視庁の方が来たときも協力したし、フライデーの取材にも応じたんです。しかし、それからが大変だった。10社を超える新聞社が大挙してやって来た。いったい何の騒ぎかと、近所の人から苦情が相次ぎましてね。これ以上迷惑かけられないと、今の場所に引っ越したんです」

 総武線某駅近くで自身が経営するパブ「Night Lounge Art」で会った片山さん、まずはこう言った。

「野球賭博を教えられたのは古市(貞秀=元阿武松部屋力士で、9月8日付で解雇処分。兄の元力士・古市満朝は琴光喜への恐喝容疑で逮捕)です。その古市とバッタリ会ったとき、実名を挙げてあそこまで言わなくてもいいのにと、嫌みを言われましたよ。古市自身はおまえのせいでこんなことになったと、阿武松親方に言われ続けたそうです」

 身の危険を感じる場面もあった。

「琴光喜はヤクザから脅されてたんでしょ。こちらも報復されるかもしれないと、地元の警察がそれとなく気を使ってくれてました。でも、あれはここに引っ越してからだった。朝方、店を従業員の女の子に任せ、スーパーに買い物に行ったんです。と、店の裏の窓をドンドン叩く音がすると、パニックになった女の子が電話してきた。あわてて警察に電話したら、パトカーが6台も出動する騒ぎになりました。わざわざ店の裏に行き、はめ殺しの窓をドンドンやるなんて嫌がらせ以外に考えられません」

●「みんな恐怖におびえてました」

 専修大学出身の片山さんのしこ名は「片山」。02年に初土俵を踏み、05年には新入幕を果たし、阿武松部屋初の関取となった。引退は09年1月。

「部屋の力士はみんな親方の顔色をうかがい、恐怖におびえてました。親方は機嫌が悪いとすぐに殴る蹴るの暴力を振るうんです。時津風部屋で暴行致死事件があった後、再発防止委員会ができて部屋の見回りを始めましたよね。だけど、これからお邪魔しますって電話してから来るんじゃ、本当のことは分かりっこないですよ」

 片山さんも暴力にさらされたことがあるという。

「高速の渋滞に巻き込まれ、後援会の食事会に遅れてしまったんです。遅れた理由はちゃんとおかみさんに報告したのに、深夜の12時近くに部屋に帰ってきた親方が、しこを踏んで待ってろという。指示通り、しこを踏んでると竹刀を持った親方が現れ、竹刀が折れるまで殴られました。それだけじゃない。鉄拳制裁も受け、ボロぞうきんみたいにボコボコにされた。もちろん、血だらけです。でも、病院に行くとリンチがバレてしまうから、外出禁止を言い渡されました」

 阿武松親方は委員から平年寄に2階級降格され、今後10年間はそのままという処分を受けた。

「それは相撲界でのこと。自分はあの親方だけは絶対許しません」

(日刊ゲンダイ2010年11月26日掲載)


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片山伸次  方言  野球賭博  琴光喜  相撲協会  

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