北朝鮮による韓国砲撃事件を受け、政府が朝鮮学校への高校無償化の手続き凍結の方針を示している問題で、京都朝鮮中・高級学校(京都市左京区)の関係者らが26日会見し、学校と保護者代表の連名で無償化の即時適用を求める緊急声明を発表した。
同校の設置者である京都朝鮮学園の孫智正(ソンチジョン)理事長、同校の趙明浩(チョウミョンホ)校長らが出席。声明で「政府は『教育上の観点から客観的に判断すべき』という統一見解だったはず。今回の事件と結びつけた無償化の手続き停止は理不尽」とし、「4月に高校無償化制度が実施されて約8カ月たっても朝鮮学校生だけが除外されたままになるという深刻な民族差別が続いており、1日も早い制度適用を」と即時適用を求めた。
趙校長は砲撃事件後に登校中の生徒が暴言を受けるなどの被害があったことも明らかにし、「既に無償化の申請をしており、元々の趣旨に沿って審査をしてほしい」と述べた。
同校オモニ会会長で、2人の娘が高級学校に通う金秀子(キムスジャ)さんは「日本の社会で夢をかなえたいと希望を持っている子供たちを差別しないでほしい」と訴えた。【野宮珠里】
毎日新聞 2010年11月27日 地方版