[PR]
ニュース:事件 RSS feed
【疑惑の濁流】巨額国費は「寿司」「リゾート」に消えた…対中資源戦略にも暗雲漂う“赤字決算”汚職 (3/4ページ)
このニュースのトピックス:不祥事
“素人”も採用、英会話学校で日給数万円
岩松容疑者が湯水のごとく金銭提供を続けた背景には、当然、わいろ総額を補って余りあるメリットがあった。平山容疑者は探査船調査員の公募採用の総括責任者で、「自分の裁量で何でも決めることができた」(平山容疑者)ためだ。
平山容疑者は表向き「公募」の形を取りながら、岩松容疑者が経営する人材派遣会社から優先的に調査員を採用。その数は20年3月以降、計18人に上った。中には大学を卒業したばかりで調査員として必要な語学力が足りない“素人”も含まれ、英会話学校に通うだけの採用者もいた。しかし、より高いレベルの技術者と同様、機構から1日数万円の日給が支払われていたという。
機構から岩松容疑者側に支払われた人件費など総額約3億2千万円のうち、調査員への給与分を除いた岩松容疑者側の粗利は1億数千万円。事実上、粗利の一部が平山容疑者への「見返り」として総額5千万円にも及ぶ利益提供に結びついたことになる。
「高額な人件費とずさんな採用システムが汚職を産む土壌になった。資源探査が国家事業なのは分かるが、運営管理がお粗末すぎる」
捜査関係者はそう吐き捨てた。
主導権握る中国、足元みられる日本
そもそもこの3次元探査船は、東シナ海の海底ガス油田で隣国・中国に大きく水をあけられていたことが導入の契機となっている。