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【疑惑の濁流】巨額国費は「寿司」「リゾート」に消えた…対中資源戦略にも暗雲漂う“赤字決算”汚職 (2/4ページ)
このニュースのトピックス:不祥事
2人は佐世保港のほか、北海道や新潟など、探査船の寄港先への出張で同行。以降、親交を深め、委託元と委託先という一線を大きく逸脱することになる。
利益提供の総額5千万円…論文提出で偽装工作
「機構の待遇が悪い。金もうけがしたい」
20年初め、平山容疑者が岩松容疑者にこんな相談を持ち掛けた。平山容疑者の覚えがよければ、探査船への調査員派遣で有利になるというもくろみがあった岩松容疑者の反応は素早かった。
岩松容疑者はペーパー会社を通じ、海洋調査業務を発注したように装うわいろの送金システムを提案。平山容疑者は助言に従い、同年3月以降、都内や神奈川県に妻らを代表取締役とする3つのペーパー会社を設立した。これがわいろを受け取る“受け皿”会社となった。
ちなみに海洋調査業務の実態は、平山容疑者が自分の論文をペーパー会社に提出させただけ。岩松容疑者からの入金を税務申告する偽装工作も行っていた。
21年10月までの間、計16回にわたって送金されたわいろの総額は計約3千万円。このほか平山容疑者は、所有するマンションの賃料約400万円▽出張先の寿司屋や居酒屋での接待数十万円▽退職後の「謝礼金」約1千万円−など、さらに2千万円近い利益提供を受けていた。受け取った金は、平山容疑者のリゾート施設会員権購入費や沖縄への旅行費へと消えていった。