1960年代に造られたモンブラン……。
私にとっては一番思いの深い製品たちである。
始めて、そして一生の記念として買い求めた万年筆がこの時代のモノ。
モンブラン日本総代理店ダイヤ産業に入社した1977年には、1960年代に製造された製品たちがまだ少し残っていた。今回お見せするNO.94も入社後在庫として残っていたモノを運よく購入させてもらった。同時に少し小さいサイズのNO.92も購入したのだが、それ以前にモンブランNO.042(モンテローザ)・NO.142をいただいた先輩に差し上げた。
さて、NO.94について少し説明しよう。
94の「9」は、14金または18金無垢の製品を意味し、「4」は、全く同じ姿の2サイズの内の大きい方を意味している。従って先輩に差し上げたNO.92は14金無垢で、NO.94より少し小さなサイズである。私が持っているNO.94は14金無垢のモノで、18金無垢ではない。まだモンブランに勤務していた時にNO.92の18金無垢の修理が来た。これが14金よりも黄色く、地金が厚い。すっごく良かった。好きだった。また手にとってみたいと思う。
では、そろそろ画像の部へ移ろう。
次に刻印のアップをご覧いただく。
585(14金)の刻印
| ■ キャップと胴軸 | |
| ■ 尻軸 | |
| ■ 少し判りにくいがクリップ |
| ■ 胴軸と首軸の間のKリング | |
| ■ Kリングの刻印が判りづらいので 本体から外して写した。 |
この時代は14金無垢のパーツ全てに「585」の刻印が打たれている。何か造り手の思いが……。いいなぁ〜。では、当時の輸入元ダイヤ貿易(株)のパンフレットをご覧いただくが、懐かしいと思われる方は相当な方。
N0.94 14金無垢の仕様、その他のデータを記そう。
■ 製造年: 1960〜1969年
■ 最終販売価格: ¥78,000
(1966年8月)
| キャップ・胴軸・尻軸・クリップ・Kリング: | 14金無垢 |
| ペン先: | 18金 |
| 太さ: | キャップ:12.4mm 胴軸: 12.2mm |
| 長さ: | 136.3mm (筆記時:153mm) |
| 重さ: | 27g |
| インク吸入量: | 1.8CC |
金無垢の万年筆NO.94・NO.92には他の仕様も造られていた。(製造は1960年代)
| 製品番号と仕様 | 最終販売価格年月 | 最終販売価格 |
| NO.94 ホワイトゴールド 14金無垢 | 1968年3月 | ¥126,000 |
| N0.92 18金無垢バーレイ | 不明 | 不明 |
| N0.92 ホワイトゴールド14金無垢 | 1968年3月 | ¥112,800 |
| NO.92 14金無垢 | 1969年2月 | ¥67,200 |