フルハルターライン


マイコレクションータイトル
Part II


《 モンブランNo.75 》


1960年代シャープペンシルNo.75は私が大好きな製品である。芯の太さは0.92mm。
シャープペンシルで芯が太く、、濃い、もの凄く濃い芯の書き味は、万年筆の極太ペン先の書き味と共通する。

モンブラン輸入元勤務時代に極太ペン先が好きなお客様に、
「0.92mmのシャープペンシルにニューマンの2Bの芯を入れて使うと気持ちいいですよ。」
とよくお勧めした。
殆ど否、必ずと言っても、過言ではないくらい
「本当にいいね〜。」
と言われた。

そんな経験から過日0.9の5B程度のそれも樹脂芯ではなく、黒鉛と粘土を焼いた芯を作ってもらったのだが、残念ながら無くなった。
ある種の方達にはもの凄く気に入っていただき、遊んで良かったと思っている。

モンブランNo.75を有名にしたのは、伊丹十三さんかも知れない。
あるTV番組の「私の大切なモノ」のコーナーで伊丹さんはこのNo.75を出した。
その後あるお店(そこで買われたことも言われたようで。)の電話が鳴りっぱなしだったということも聞いている。
また最近ではよくTVに出ている方が
「今あれば20万か、30万する。」などと言われているようだ。実際はそんなに高くはないようだが。

思い出すのは、二十数年前あるデパートで当時1万円定価のNo.75を在庫処分をしたい為に三掛け 3,000円で販売したことがある。
全部買いたかったが、モンブランの社員は買ってはいけないと思っていた私は、喉から手が出る程欲しかったが手を出すことは出来なかった。今でも悔やまれる。

No.75の良さはそのフォルムと金張りキャップなのだが、一番優れているのは、何と言ってもメカニズム。
このメカニズムはもの凄く堅牢である。
時計のオーバーホールのようにメカニズム内部のつまった芯のかすを取り除かなくては芯の送り出しが出来なくなることはあっても、壊れない。
No.75に限らず、1960年代のペンシルのメカニズムは素晴らしい。
マイコレクションでそのうち紹介するが、No.15・No.25も同じメカニズムである。
では、そろそろ画像を。


1960年代シャープペンシルNo.75


上から、黒・赤・緑・灰の4色


刻印 刻印 刻印




 製品仕様 
キャップ・クリップ: 金張り
胴軸: 樹脂
方式: ノック式
太さ: キャップ:10.7mm 胴軸:9.8mm
長さ: 133.6mm 
重さ: 21.6g
ボディの色: 黒・赤・緑・灰 4色

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


■ 製造年代:  1960〜69年
■ 最終販売価格: 1975年2月   ¥10,000 






TOPマイコレクション34へ36へ