今回のモンブランNo.22は、先週のNo.24と全く同じデザインの“ちっちゃなサイズ”。
このHP<私と万年筆>第一話―万年筆との出会い― でも申し上げたが、私が万年筆好きになったきっかけは高校生の時に亡くなった兄が持っていたパイロットの“ちっちゃな奴”だった。おそらくテコ式の時代ではないかと思うが、昭和の20年代後半、私が小学生の時の奴である。
このHPをご覧いただいている方々にはお判りいただけると思うのだが、
「何で好きになったの?」などと問われても、
「そんなの理屈ではないよ。何だか判らないけれど、心が惹かれたんだよ。」である。
その後始めての自分の万年筆は、昭和36年高校入学時に父に買ってもらったパイロットのスーパー1,500円の奴だった。
自分の小遣いで対になる0.9mmペンシル500円も求め、今でも大切に保存している。
高校時代パーカーだ、ウォーターマンだ、シェーファーだと友人達が語っていたが、その当時はドイツのモンブラン、ペリカンは余り話題にはのぼらなかった。
やはり敗戦国であったドイツのモノより進駐軍と一緒にやってきたアメリカのモノが主流だった。
昭和の30年代の終わり、その意識を完璧に覆す出来事が…。当時切手を集めていた私は東京の中央郵便局を訪れていた。その時である。ある女性が葉書を書く為なのか、ご自分のバッグからハンカチで丁寧に包まれたものを取り出した。美しい女性だから惹かれたという訳でない、その方の顔を憶えていないくらいだから。ただ、もの凄く大切に扱うその女性の仕草に惹かれたのである。
じっとその仕草を見つめていた私の目に「モンブラン」が現れた。ハンカチに包まれた中味はモンブランであった。ものを大切に扱う女性とそんなに大切にされている「モンブラン」。私の心に強烈につきささった瞬間である。そのモンブランが今回紹介するNo.22である。その女性が持っていた赤軸である。
では、モンブランNo.22の画像をご覧ください。
キャップ・胴軸: | 樹脂 |
クリップ: | 金張り |
ペン先: | 14金 |
太さ: | キャップ:13.0mm 胴軸:11.8mm |
長さ: | 129.7mm 筆記時:142mm |
重さ: | 14.4g |
インク吸入量: | 1.4CC |
ボディの色: | 黒・赤・緑・灰 |
■ 製造年代: 1960〜1969年
■ 最終販売価格: 8,000円 (1975年2月)