経済
札幌市収集の雑がみ、中国へ輸出
(11/28 09:01、11/28 12:23 更新)
古紙を原料にした家庭紙製造の道内最大手、道栄紙業(後志管内倶知安町)が、札幌市が回収した「雑がみ」の入札で、中国へ輸出する業者に敗れて困惑している。これまでは毎回落札していたが、11月分以降は大差で敗れた。海外で再資源化できるよう制度変更されたためだが、処理量増を見込んで多額の設備増強を行ったばかりの道栄紙業は対応に頭を悩ませている。
不純物の混じった「雑がみ規格外品」の再資源化には、不純物を取り除くための高水準の設備が必要なため、道栄紙業以外に応札する企業はなかった。
同社は将来の処理量増を見込んで、昨年9月に2億8千万円かけて本社工場の設備を増強し、古紙回収問屋からの買い取り量は大幅に減らした。
一方、札幌市は入札業者の参入を促すため、今年2月末に関連要綱を改定し、雑がみの再資源化処理を海外でもできるようにした。道栄紙業としても、グループ企業が所有するベトナムの工場で処理できるため、改定を歓迎していた。
ところが10月末に実施された11月分の入札で、札幌市内のリサイクル会社が、道栄紙業のそれまでの落札額の約3倍の1トンあたり8505円で落札。12月分も同社が落札した。日本の商社が間に入り「購入した中国の企業が再資源化する」(落札したリサイクル会社)という。
原料の約4割を札幌市の「雑がみ」入札に依存する形となっていた道栄紙業は「古紙回収問屋からの買い取り量は、一度減らすと簡単には元に戻せない」と戸惑いを隠せない。ただ、同社は札幌市の「雑がみ」の3分の1を処理するなど、道内リサイクル業界で一定の役割を担ってきただけに、関係者からは道内の紙リサイクル事業への影響を危惧(きぐ)する声も聞かれる。
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