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【海外事件簿】無免許運転、証拠隠滅疑惑、SS抗議船衝突調査で、新事実が判明 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:海外事件簿
針路方向にアディ号が航行していることは把握しながらも、第2昭南丸はそのまま方向転換せずに突進。衝突地点の130メートル手前では、さらにアディ号の方へ右舷に舵を切っていたという。
MNZはこの直前の針路転換について、第2昭南丸が、船に備え付けていた妨害防止用の放水砲を射程圏内に入れる必要があったと推察した。
この調査報告書には、SSがこれまで日本船に展開してきた過激な攻撃スタイルが事故を誘発する背景にあったことを原因の一つとしてとらえておらず、この点から、なぜ、第2昭南丸が未然に回避措置をとらなかったかの検証が不十分とも言える。
一方、SSは事故発生直後、衝突の非はすべて日本側にあると訴えたが、MNZの調査で、第2昭南丸が救難信号に応じなかったとのSSの公式発表は虚偽であることが判明。アディ号クルーが事故で骨折したとのアピールは、診断結果が出ないまま、ポール・ワトソン代表が吹聴していたことも明らかになった。
また、SSは、アディ号の航行の軌跡を残した「シムラッド」という記録装置を海に投げ捨て、証拠隠滅を図ろうとしていた疑惑があることも判明した。
MNZは調査着手にあたり、SS側にシムラッドの提出を要請したが、「見つからない」などとしてこれを拒否。しかし、今年3月に、タスマニアの海岸で打ち上げられているのが偶然、見つかり、MNZに届けられた。
この後、MNZの追及に、SSは、シムラッドが海に投げ捨てられたことを半ば認め、特定のクルーに衝突の責任が及ぶのを避けるために誰かがやったのではないか、などと答えたという。