埼玉など1都4県で1億円以上の被害が確認されている悪質電子書籍代行詐欺事件で、静岡県警生活環境課などは26日、ついに中心人物とされる電子書籍代行サービス会社「スキャンホーム」(静岡県静岡市葵区)元社長、次水大興容疑者(38)らを逮捕した。
個人で紙の本を電子書籍化することは、“自炊”とよばれる。ただ、1ページずつスキャナーで読み込む作業は手間がかかることもあり、今春ごろから代行業者が急増している。客から本を郵送してもらい、PDF(電子文書のファイル形式の1つ)化した電子データをダウンロードしてもらう方式が一般的。
逮捕容疑は、今年6月、容疑者らが運営する電子書籍化代行サイトを通じ500冊の書籍を受け取り電子書籍化したように装い、埼玉県さいたま市の男性(52)から代行サービス料金として、5万5千円を振り込ませたとしている。
同署によると、次水容疑者から10冊分しか電子書籍が届かず、連絡も取れなくなったため男性が被害届を出した。 同署は同容疑者らが受け取っていた代行の収益は数千万円に上る可能性があるとみて調べている。
本人に代わって営利目的でコピーすることは、著作権法で許される「私的複製」を逸脱しており、「違法」とみる専門家が少なくない。都内の業者は「利用者の手足となって複製を代行しているだけで、全くの『シロ』」と反論。ネット上でも業者への擁護論は多い。 著作権法上はグレーゾーンとなっているため、電子書籍化代行サービスに目をつけた暴力団の新手のシノギとして大きな収入源になっている。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20101124_bookscan_inside/
投稿日時 : 2010年11月26日 22:06