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投資用マンション、勧誘トラブル急増 新手口「名刺交換」誘い水

産経新聞 11月28日(日)7時58分配信

投資用マンション、勧誘トラブル急増 新手口「名刺交換」誘い水
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マンションの勧誘に関する相談件数(写真:産経新聞)
 ■親切心につけ込み…深夜まで  「新人研修です。名刺交換してください」と街頭で声をかけられ、親切心で名刺を渡すと、投資用マンションの購入を勧める電話がかかってくる。こんな新たな手口の営業が相次いでいる。深夜までしつこい勧誘が続くケースもあり、国民生活センターで注意を呼び掛けている。(大矢博之)

 「マンションに興味はありませんか」。記者の職場に電話がかかってきたのは、東京・大手町のオフィス街で「新人研修中」の男性(24)と名刺交換をした約2週間後だった。

 「あのときは助かりました。一度会ってお話をしたい」というので、待ち合わせ場所に行くと、男性のほかに上司も同席。上司は2千万円台の投資用マンションの勧誘を始めた。上司は「名刺交換で企業を選ぶ。大企業や公務員でないとローンの審査が難しい」と説明。「あなたは物件を持つ資格がある」と営業トークに力を込めた。名刺交換した男性はほとんど話さなかった。

 上司によると、30〜40人と名刺交換し、アポイントに成功するのは1、2人。さらに、契約が成立するのはこのうち1割という。昔は飛び込み営業だったが職場のセキュリティーが厳しくなり、約3年前からこうした営業を始めた。名刺交換のノルマは「1日30枚」(男性)。アポイントを取れなかった名刺は破棄するという。JR東京駅前では女性からも声をかけられ、名刺交換した。女性は「名刺は私が保管する。営業電話をかける場合は名刺交換の際に許可を取る」と説明。しかし、「興味なし」と伝えていたのに約2週間後、女性から「気が変わったかもしれないと思って」と営業の電話がかかってきた。

 国民生活センターによると、平成21年度のマンション勧誘をめぐる相談は過去最多の5355件。今年度はそれを上回るペースで増加中だという。このうち名刺交換から始まる投資用マンションのトラブルは5、8、9月に関東地方、7月には近畿地方で起きた。相談は「展示会で『研修で名刺を100枚集めている。協力して』と声をかけられた。断ると『話を聞かずに断るのは失礼だ』と怒鳴られた」(近畿、40代男性)、「名刺交換したら、上司と勤務先に来た。夕方から深夜までマンション購入を勧められた」(神奈川県、30代男性)など会社員からが中心。マンションのほか、自己啓発グッズの売り込みもある。

 同センターは「相談には『新人を応援しようと名刺交換した』との声もあり、親切心につけ込んでいる」と指摘。「個人情報保護の観点から、安易に名刺を渡すことは危険だ」と注意を促している。

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最終更新:11月28日(日)12時25分

産経新聞

 

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