北朝鮮砲撃:韓国の大学生、対北イメージが悪化(下)

 ソウル大学のサークル「スヌライフ」のインターネット掲示板には、政府の無気力な対応に対する批判の書き込みが相次いだ。そのうち、「人共旗(北朝鮮の国旗)を燃やし、金日成(キム・イルソン)の銅像を作って破壊してほしい。家族を失った人たちの怒りがどのようなものかを示す必要がある」「敵の砲陣地を焼き尽くすほどの強い反撃を行うべきだった。戦線の拡大や全面戦争を恐れて引っ込んでいては、もっと多くのものを失う」「犠牲者を追悼し、北朝鮮を強く糾弾するため、ろうそくに火を付けて行進しよう」などの書き込みがあった。

 これに対して、「報復攻撃などは事態を悪化させる」という意味合いを込めた、「北朝鮮の海岸砲を今すぐ破壊するよりも、もっと慎重に対応すべきだ」という書き込みもあった。

 ペンニョン島の海兵隊に所属し、今年6月に兵役を終えて除隊した建国大学物理学科2年のパク・スインさん(24)は、「共に西海(黄海)の海を守ってきた戦友が戦死したという知らせを聞くと、怒りがこみ上げてくる。しかし、このようなときこそ冷静に対応する必要がある」と述べた。韓国外国語大学イラン語学科のジェ・ファンソンさん(23)は、「経済に及ぼす悪影響を考慮する必要がある。外交に力を集中させ、北朝鮮に圧力を加えるべきだ」と主張した。

 一方、入隊を控えた大学生たちは、不安定な安全保障情勢の中でも、毅然とした態度を失っていなかった。高麗大学ドイツ文学科2年のファン・スンスンさん(21)は、来年1月に海兵隊への入隊を控えているが、「延坪島とペンニョン島で任務に当たっている友人たちが元気で過ごしているか心配だ。自分の任務から逃げ出したいという思いはまったくない」と述べた。

 こうした中、一部の左翼系大学生団体は、南北双方を批判している。「大学生たち皆で」と呼ばれる左翼グループは、「北朝鮮による延坪島攻撃は、絶対に許すことのできない蛮行だ。しかし李明博政権は、米国のオバマ政権と対北朝鮮政策で協調する一方、北朝鮮への人道的支援を中断し、徐々に好戦的な発言を重ね、結局は南北間の緊張が高まった」と主張している。米国による圧力と現政権の強攻一辺倒の態度が、北朝鮮の砲撃を招いたということだ。

チェ・ソンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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