北朝鮮砲撃:韓国の大学生、対北イメージが悪化(上)

「戦争に発展するかも」「震えが止まらない」「とまどっている」

政府の無気力な対応に批判

「口では鉄のような安全保障体制と言いながら、哨戒艦『天安』が沈没したときと何も変わっていない」

 北朝鮮が延坪島を砲撃して以降、北朝鮮に対する韓国の大学生の見方が非常に厳しくなっている。今年3月に哨戒艦「天安」が沈没した当時は、「政府の自作自演」というデマや陰謀論に動揺していたが、今回はそのような様子は見られない。

 韓国外国語大学言論情報学部4年のイ・ドゥジンさん(25)は、「民間人が住む地域にまで砲撃が加えられたのは衝撃的なことだ。人倫という観点からして絶対に容認できない」「李明博(イ・ミョンバク)政権の対北朝鮮政策は強硬一辺倒で、天安が沈没したときもやりすぎだと思っていたが、今回の攻撃を通じて、“北朝鮮は自分たちの体制を守るためには手段を選ばない”ということをしっかりと理解した」と述べた。

 これまでは「韓半島(朝鮮半島)では戦争は起こらない」と楽観的だった多くの大学生たちだが、北朝鮮による侵攻の脅威が現実味を帯びてきたことに当惑を隠せない。建国大学医用生体工学部4年のハ・ジンマンさん(25)は、「韓国戦争(朝鮮戦争)は前の世代の惨劇ではなく、自分たちの世代でも現実になり得ると思うと、体が震える」と語る。ソウル大学ロシア文学科4年のキム・ヒウンさん(23)は、「延坪島から立ち上る黒い煙を見ながら、もしかするとこれは局地戦で終わるのではなく、全面戦争に発展するかもしれないと不安に感じた」と述べた。大学生の保守団体である韓国大学生フォーラム会長のピョン・ジョングクさん(延世大学政治外交学科4年)は、「北朝鮮は同じ民族というよりも、主敵としてわれわれに接している」と断言した。

 一貫性に欠ける対北朝鮮政策により、いつもやり込められてばかりの政府に対して、怒りをあらわにする大学生も多かった。「10年にわたる太陽政策の報いが、今になって自分たちに返ってきた」という声も聞かれる。成均館大学新聞放送学科4年のクォン・ジェフンさん(25)は、「天安が沈没してから、“鉄のような備え”という話は数えられないほど耳にしたが、あれから8カ月が過ぎた今、一体何が変わったのか。まだ人生これからという若い海兵隊員の犠牲を無駄にしないためには、政府がもっと確かな対策を立てなければならない」と注文した。淑明女子大学国文科4年のファン・ジョンホさん(25)は、「国民の生命も守れないような国が、国民に義務を果たすよう求めるべきではない」と怒りをぶちまけた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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