国際テロに関する警視庁公安部外事3課などの内部資料とみられる文書がインターネット上に流出した問題で、流出データを収録した本が出版されたことが分かった。捜査協力者や警察官の氏名や住所、顔写真などの個人情報がそのまま掲載されており、出版元の第三書館は「被害者はテロリストとして扱われた捜査協力者。誰が被害者なのかを明らかにする必要があると判断した」と説明している。
本のタイトルは「流出『公安テロ情報』全データ」(480ページ)。流出したデータを項目ごとに分け、内容を加工せずに転載している。「個人情報が含まれている」として配本を断る書店もあったが、既に約2000部が全国の店頭に並んでいるという。
警視庁はデータについて、「調査中」として内部資料とは認めていない。第三書館の北川明社長は「警察が内部資料と認めていない以上、出版する権利はある。警察の情報管理のずさんさやイスラム教徒を敵視する姿勢を浮き彫りにしたかった」と話している。【伊澤拓也】
毎日新聞 2010年11月27日 10時40分(最終更新 11月27日 16時06分)