北朝鮮:金正銀氏、党要職に 軍事委副委員長を新設

2010年9月29日 7時19分 更新:9月29日 13時12分

 【北京・米村耕一】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮労働党は28日に開いた党代表者会と中央委員会総会で、金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男正銀(ジョンウン)氏(26)を党中央委員と党中央軍事委副委員長に選出した。朝鮮通信(東京)が29日未明に配信した。中央軍事委委員長は金総書記が務めている。正銀氏が党でも要職に入ったことで、後継者であることが改めて明確にされた。中央軍事委副委員長は、正銀氏のために新設されたとみられる。正銀氏は今後、父親の下で軍の掌握に努め、後継体制を固めていくことになる。

 正銀氏の27日の大将任命と同時に大将から次帥に昇格した李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長が、正銀氏とともに中央軍事委副委員長となった。正銀氏の補佐役とみられる。正銀氏の後見役である金総書記の義弟、張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長や、その側近とされる崔竜海(チェ・リョンヘ)氏も中央軍事委委員に選ばれた。

 金総書記だけだった政治局常務委員には、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長、崔永林(チェ・ヨンリム)首相、趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委員会第1副委員長、李総参謀長が選出され、計5人となった。

 政治局員は、姜錫柱(カン・ソクチュ)副首相や、金総書記の実妹である金慶喜(キム・ギョンヒ)党部長ら17人。張成沢氏や崔竜海氏ら15人が政治局員候補となった。正銀氏自身は政治局入りしなかったが、後見役となる身内がまず政治局員や同候補となった形だ。正銀氏は中央委員にはなっているので、今後、一定の経験を積んだ後に政治局や書記局に入ると考えられる。書記局には金養建(キムヤンゴン)統一戦線部長や崔竜海氏ら10人が入った。

 朝鮮中央通信によると、党代表者会は(1)金正日氏の総書記推挙(2)党規約の改定(3)朝鮮労働党指導機関の選出--の三つの議題を議論し、1日で閉会した。党中央委の選挙は1980年以来30年ぶりで、124人が中央委員に選出された。

 朝鮮中央通信は29日午前、代表者会の写真2枚を配信したが、正銀氏の顔写真は配信されていない。

 ◇情報収集を継続 前原外相

 前原誠司外相は29日午前、金正銀氏が党中央委員などに選出されたことについて「北朝鮮の内部をしっかり確認をして、分析をしなくてはいけない」と具体的な論評は避け、引き続き情報収集と分析を続ける考えを示した。【西田進一郎】

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