2010年10月1日 21時14分 更新:10月1日 23時9分
世界最大級の巡航ミサイル潜水艦ミシガンが米軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に寄港し、米海軍は1日報道陣に公開した。巡航ミサイル・トマホーク約100基を搭載し、対テロ戦争などで強力な打撃力を持つ。尖閣諸島付近で日中間の緊張が高まる中での寄港は中国側をけん制する狙いもありそうだ。
ミシガンは全長約170メートル、排水量1万6764トン。海軍特殊作戦部隊(SEALs)も乗り込み、上陸作戦など特殊任務遂行能力も持つ。
先月28日に横須賀基地に入港。フィル・マクラフリン艦長(大佐)は記者団に尖閣沖の衝突事件に関し、「日本の友人としてここ(西太平洋)にいる。この地域の安全は米国の安全にもつながる」と述べ、強固な日米同盟をアピールした。艦内ではソナー室や戦闘運用センター、特殊部隊の発進口・収容室などが公開され、撮影も特別に許可された。
中国海軍は今年4月、キロ級潜水艦やミサイル駆逐艦計10隻が沖縄本島付近の東シナ海の公海上を航行するなど日本を意識した活動を活発化。これに対し日米両政府は先月の外相会談で「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲」と確認した。米海軍は全体の約6割の潜水艦を西太平洋に展開しており、米西海岸ワシントン州に母港を持つミシガン派遣もその一環だ。【及川正也】