臨時国会:「尖閣」対決ムード…1日召集

2010年9月30日 21時30分 更新:9月30日 23時32分

 第176臨時国会が1日召集される。会期は12月3日までの64日間。参院で与野党の勢力が逆転した「ねじれ国会」に菅政権が初めて本格的に臨む。最大の焦点は今年度補正予算案の成否。政府・与党は野党の協力を呼びかけるが、野党側は尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を巡る政府の対応を批判している。会期中には民主、自民が全面対決する衆院北海道5区補選(10月24日投票)もあり、対決ムードが強まるのは避けられない。【高山祐、横田愛】

 ◇補正予算案の成否が焦点に

 政府は先の通常国会で廃案となった郵政改革法案など22法案・条約を提出する。継続案件を含め計40法案となるが、重要法案を人事院勧告に基づく給与法改正案と郵政改革法案に絞り込み、野党との対決は避ける方針だ。

 補正予算案は10月下旬に提出、11月初旬の衆院通過を目指す。民主党は編成過程から野党の要望を反映させることで与野党協調につなげたい考えだ。自民、公明両党は既に経済対策をまとめており、公明党には「国民生活にかかわる補正に反対しづらい」との声も強い。

 しかし、自民、公明両党との「対話路線」に冷や水を浴びせたのが尖閣問題だ。

 30日の衆院予算委員会の集中審議では、自民党の小野寺五典元副外相が「戦後最大の外交敗北」と批判。公明党の富田茂之衆院議員も政府の判断に疑問を投げかけた。公明党の山口那津男代表も補正について「政府の姿勢も示さず提出時期が遅れるのは怠慢」と自民党に足並みをそろえた。

 民主党の岡田克也幹事長は会見で「尖閣問題で国会は緊張しているが、国民の立場に立てば補正予算について各党が協議するのは間違ったことではない」と述べ、引き続き協力を求める考えだ。

 民主党は、今年5月に連立離脱した社民党にも秋波を送る。岡田氏は30日夜、国民新党とともに社民党の幹事長らと会談し、同補選で結束して戦うことを確認。中国船舶の日本近海での活動活発化を踏まえ海上保安庁の装備強化が必要との認識でも一致。「全方位外交」で連携への素地作りに動いている。

 ◇予想される主な日程<10月>

1 日  召集、首相所信表明演説

4~5日 首相がアジア欧州会議(ASEM)首脳会議出席(ブリュッセル)

6~8日 衆参両院で代表質問

中 旬  衆参予算委

24 日  衆院北海道5区補選

28~30日 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、ASEANプラス3(日中韓)首脳会議など(ハノイ)

下 旬? 今年度補正予算案の提出

 同 ? 小沢氏に関する検察審査会の再議決

<11月>

初 旬? 補正予算案の衆院通過

11~12日 20カ国・地域(G20)首脳会議(ソウル)

13~14日 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(横浜市)、オバマ米大統領来日

28 日  沖縄県知事選

<12月>

3 日  会期末

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