中国:外交白書で領有権重視

2010年9月30日 19時35分

 【北京・浦松丈二】中国外務省は30日までに、2010年版の外交白書「中国外交 2010」を出版した。今年版から「中国外交における国境と海洋政策」の章が新たに設けられた。沖縄県・尖閣諸島付近での衝突事件前に編集されたものだが、領有権や海洋権益を以前より重視してきた中国政府の姿勢を鮮明に示した。

 同白書は「国境と海洋政策は国家主権、安全保障と発展の利益にかかわっており、中国外交の重要な部分となっている」と重要性を指摘。「周辺国家と領土や海洋権益の争いを公平かつ合理的に解決していく」とした。

 白書はまた、中国が東シナ海などで沿岸から200カイリの排他的経済水域(EEZ)だけでなく、海底の大陸棚に対する主張を留保していると主張。「国連海洋法条約」で設立された国連大陸棚限界委員会に、200カイリを超える大陸棚の拡張を求める暫定申請を提出したことを明記した。

 東シナ海のEEZ境界については、日本側が「中間線」を主張しているのに対し、中国側は自国の大陸棚が続いているとして、日本に近い沖縄トラフまでを主張している。

 白書はさらに、中国外務省が昨年3月、領有権紛争の専門部局「国境海洋事務局」を新設。その任務を「陸上国境の画定や海洋の境界や資源の共同開発に関する外交交渉を担当する」と規定したことも明らかにした。

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