2010年9月30日 18時52分 更新:9月30日 20時54分
小沢一郎・民主党元幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は30日、07年分の政治資金収支報告書の虚偽記載容疑について、小沢氏を再び不起訴処分(容疑不十分)とした。東京第1検察審査会が7月、「不起訴不当」と議決したことを受け再捜査していたが、起訴できる新たな証拠はなかったと判断した。
この事件を巡る特捜部の捜査は終結した。一方、04、05年分の虚偽記載容疑は東京第5検察審査会が第2段階の審査中で、「起訴すべきだ」として起訴議決すれば小沢氏は強制的に起訴される。
事件では、04年に小沢氏の手持ち資金4億円で土地を購入し、07年に同額を小沢氏に返却しながら陸山会の収支報告書に記載しなかったなどとして、衆院議員の石川知裕被告(37)ら元秘書3人が同法違反(虚偽記載)で今年2月に起訴され小沢氏は不起訴となった。
虚偽記載のうち07年分を審査した第1審査会は「先生に了解を得た」と述べた元秘書、池田光智被告(33)の供述などから「元秘書は小沢氏に収支報告書の内容をある程度詳しく説明していると十分推認できる」と議決で指摘。中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元幹部の「小沢事務所に資金提供した」との供述にも言及し、改めて小沢氏の取り調べなどを求めていた。
これを受け特捜部は9月18日、小沢氏を約3時間聴取。小沢氏は「秘書に任せていた」と改めて関与を否定した。元秘書3人は起訴されていることを理由に聴取を拒否。こうしたことから特捜部は不起訴の判断を覆す証拠はないと結論づけた。【三木幸治】