2010年9月30日 18時48分 更新:10月1日 2時24分
農林水産省は30日、10年産のコメ作況指数(平年=100)が9月15日時点の全国平均で99の「平年並み」になったと発表した。今年は猛暑で豊作を予想する声が多かったが、6月上旬までの低温と日照不足による生育の遅れが響き、7月以降は回復したものの平年作にとどまった。また、指数には反映されないが、猛暑でコメの品質が例年より大幅に悪化している模様だ。
作付面積は前年比2万ヘクタール増の165万7000ヘクタール。うち主食用米は158万ヘクタールと1万2000ヘクタール減った。今年度始まった戸別所得補償制度で、コメの生産調整(減反)参加が所得補償の条件となったため主食用米の作付けが抑制され、政府が奨励する飼料用・米粉用米などにシフトした。
主食用米の予想収穫量は831万トンで、農水省の需要予測805万トンを26万トン上回る。同省は「過剰感は残るが、豊作による米価急落は避けられた」としている。一方、農協関係者は「消費不振などで09年産も約35万トンが11月以降に売れ残る見通しで、全体では60万トン以上の供給過剰。品質低下で農家の収入減も心配だ」として、引き続き政府に備蓄米買い増しなどによる米価下支えを求めている。
地域別の作況指数は▽北海道98▽東北100▽関東・甲信99▽北陸・新潟99▽東海99▽近畿99▽中国99▽四国100▽九州99▽沖縄101。指数は10月15日現在が同月末に、確定値が12月上旬に発表される。【行友弥】