韓国艦沈没:国連演説で南北が非難合戦

2010年9月30日 12時0分

 【ニューヨーク山科武司】「韓国が戦争ムードをあおっている」「(哨戒艦沈没の)調査は科学的だ」--。29日の国連総会一般討論演説で、北朝鮮の演説に韓国が反発し、北朝鮮が再反論する一幕があった。

 北朝鮮の朴吉淵(パク・キルヨン)外務次官はこの日の演説で、今年3月の韓国哨戒艦沈没事件に触れ、「北朝鮮の平和への努力は常に脅かされている。最近の例があの茶番劇だ」と発言。哨戒艦沈没を韓国が「北朝鮮の攻撃」と断定したことを「真相はまだ不明なままだ」と反論した。そのうえで韓国の現政権を「海外勢力と共に我が国への対抗姿勢を合理化し、戦争ムードをあおっている」と非難した。

 自国の核関連活動については「核を装備した米空母が我が国近海を航行して威嚇を続ける以上、我が国は核武装を続け、さらに強化し続ける。それが我々が得た教訓だ」と正当化した。一方で「核兵器は国土防衛が目的だ。核軍縮の動きには、核保有国として対等の立場で加わる」とも述べた。

 これに韓国側が反発した。この日の一般討論が終わった後、韓国外交団が発言。「哨戒艦沈没の調査結果は客観的、科学的事実に基づいたものだ。今年7月の国連安保理議長声明でも確認されている」と反論。北朝鮮が「核保有国」と自称することにも「核拡散防止条約(NPT)では北朝鮮は核保有国と認められていない」などと反論した。

 だが北朝鮮も負けず、朴徳勲(パク(トクフン)次席大使が発言。「国連安保理は結論は出していない。北朝鮮は哨戒艦沈没に関与していないと明言する」と再反論。「我々の核はあくまで国防用だ。もし米国が我々への敵対政策を捨てるなら、我々も応じ、朝鮮半島の非核化は実現する」と繰り返した。

 国連の一般討論演説では、討論の終了後、発言内容に当該国が反論を述べることができる。

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