学力:高い子どもは「草食系」? 低い子は「野心的」

2010年9月29日 11時26分 更新:9月29日 12時22分

 学力の低い生徒ほどチャレンジ精神が旺盛で将来の起業にも意欲的--。10代の子供たちの学力と将来の夢や目標との関連性を分析した調査結果を、教育関連のNPO法人「次世代育成フォーラム・リスタ」(東京都文京区)が発表した。調査担当者は、学力が高い子供ほど「草食系」と分析している。

 調査は今年4月、主に進学塾に通う首都圏や近畿地方など16都府県の中学生約1万8000人を対象に実施。国語、数学、英語の3教科の学力テストと、将来の目標や夢などを尋ねる58問の意識調査を併せて行った。学力テストの結果で上位、中位、下位の3グループに分けて分析した。

 「起業についてどのように考えますか」という質問に、下位層の10.4%が「いつかは必ずチャレンジしたい」と答えたのに対し、中位層は6.9%、上位層は6.6%。逆に「チャレンジしたくない」と答えた上位層は39.1%に上り、下位層(28.9%)と10ポイント以上の差が開いた。

 大学卒業後の進路に関する設問では、上位層は過半数(58.6%)が「日本の企業や公務員などに就職する」と答えたのに対し、下位層は41.5%にとどまった。一方で下位層の20%が選んだ「プロスポーツ選手や芸能人など特技や才能を生かして個人で活動する」は、上位層には人気がなく8.4%だけだった。

 担当者は「学力が高い子供ほど『草食系』で、いい大学に入り、安定した生活を目指している。逆に学力が低い子供は夢が大きく、野心的。今はただ、学力テストで結果が出せていないだけ」と話している。【井上俊樹】

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