まず、支援者の方々に、大きなご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。11月18日付の産経新聞の記事をはじめ、いわれなき中傷を受けていますが、全く事実無根だと申し上げておきます。まず7月の納涼祭の件は、基地内の誘導の仕方が不適切だと思いましたので、その旨、指摘したことは事実です。私に対し暴言を吐いた隊員には手も足も触れていません。総じて、新聞報道の名に値しない記事です。
産経が「松崎議員自衛官を恫喝」車逆走指示「誰だと思っている」と見出しを掲げているのは、謀略の類の話です。とにかく民主党議員を片端から悪者に仕立て上げようとの魂胆が見え透いていて、仲間の多くからも毅然と対応しろと励まされています。ネットでは隊員が女性だったとのデマまで飛ばされているのです。
私が一方通行の「逆走」を要求したこともありません。だいたい、そこは両面通行の場所でしたから、受付方向に車が通れないと思う方が無理なのです。事情を聞いている時、上官の一人が私の車を誘導してきましたので乗り込みましたが、その際に『二度と来るな』と言われました。さすがにムッとしましたが、挑発に乗ったらダメと分かっていますから、立ち去りました。後日、基地側から謝罪にきましたが、私が謝罪を求めたのではなく、あくまで誘導システムに問題があることを指摘したのです。
私は、むしろ男性隊員の立場を慮って、謝罪に来た上官に、「議員とは思わないで言ったのだろうが、誰であれ市民に対して『二度と来るな』と暴言を吐くのは好ましくない」と言ったものを、当日のことに事実を曲げ、趣旨を全く逆に変えて宣伝されています。が、本筋は11月の話の逆恨みでしょう。
産経は一部しか書きませんが、自衛隊の基地内の公式行事で「みんなで、一刻も早く菅政権をぶっつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう」(防衛省の記録)と、隊員を煽動する発言があったのです。これが不適切であるのは論をまちません。
その後に、報告を受けた防衛省も「自衛隊法」等の政治的行為の制限に違反するという認識で事務次官通達を出しましたが、自衛隊員に倒閣を煽動するのは、自衛隊は文民である首相や防衛大臣によるシビリアン・コントロールに服する大原則に反します。もちろん、民間人が基地外の、公式行事でない場所で自由に発言するのを封じるものではありません。しかし、その大原則をルーズにしていると、戦前の軍国主義の跋扈(ばっこ)による蹉跌(さてつ)を繰り返してしまう恐れがあるのです。
本当は、私はこれを基地内の問題だけにとどめておこうと思ったのですが、自衛隊側の問題意識が本省への迅速な報告になったようです。その判断に異を唱えるものではありませんが、結果、私が狙い打ちにされてしまいました。
事務次官通達は「隊員の政治的中立性の確保について」というものです。市民が市民として菅内閣の政策を批判されるのは自由ですが、そこに隊員を巻き込むかのような動きは、かえって自衛隊の為にもならないと思います。支援者の皆々様に対してお詫びを繰り返しますとともに、関係各位にはご自制をお願い申し上げます。
平成22年11月18日
衆議院議員 松崎哲久