県内ニュースクマの食害、続く不安 昨年超え「被害額さらに拡大」
2010年11月27日 15:09
クマに食い荒らされたとみられるリンゴ
県警地域課によると、24日現在の目撃、出没件数は計336件で、過去10年の中で最も多くなっている。例年にない状況を受け、県エコ農業推進課はクマによる農作物被害金額の中間集計を行った。その結果、1777万円に達し、昨年の被害総額(1547万円)を超えた。同課は「集計していない市町村があるほか、『ふじ』の収穫期前に集計したので、最終的な被害金額はさらに上回ることが確実」とみる。 人家周辺に出没するなど、人的被害が相次いだ置賜地域は被害が顕著だ。「昨年、ほとんど被害がなかった」という米沢市の場合、9月末現在で約200万円の被害が出ている。ほとんどがリンゴの被害といい、同市の担当者は「山際に面している地域で被害が多いようだ」と話す。白鷹町の被害も約300万円(10月15日現在)に上るという。 リンゴなど県内有数の果樹産地の西村山地域はどうだろうか。JAさがえ西村山の担当者は「10月末現在で寒河江市は約400万円の被害が出ている。昨年のほぼ4倍だ」と話す。中には被害に遭っても届け出ない農家もあるため「実際の被害はもっと多いのではないか」という。朝日町は、把握しているだけで昨年の約30万円を上回る約120万円の被害がある。朝日町の担当者は「直接的な被害に加え、特に女性を中心にクマの出没を恐れる意識が広まり、農作業がしにくくなっている」と指摘する。天童市も「昨年に比べ、被害は大きくなりそう」と話す。 被害を防ぐための対策として、県エコ農業推進課は「表面に傷が付いて売り物にならない果実などを園内に放置せず、すぐに処分する。クマを寄せ付けないようにすることが必要」と呼び掛けている。
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