「約束の場所」の歌詞は「銀河鉄道999」の引用なのか

ドルチェ&ガッバーナ、腕時計の盗作偽造罪で有罪判決-フランス

【パリ/フランス 26日 AFP】イタリア高級ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」(Dolce&Gabbana)は腕時計の盗作偽造罪に問われ、パリ最高裁判所によりフランスの彫金師パスカル・モラビト氏への損害賠償支払いを言い渡された。
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(c)AFP/FILIPPO MONTEFORTE

AFPBB News


以前も盗作をテーマに書いたことがあったのだが、今回はいつも私の琴線に触れる曲と歌詞でグッとさせてくれる槇原敬之がケミストリーに書いた曲「約束の場所」が松本零士さんの「銀河鉄道999」の登場人物のセリフに酷使していると松本さんが指摘して、マッキーが反論していることについて書いてみようと思う。

問題の歌詞というのは

夢は時間を裏切らない
時間も夢を決して裏切らない

という箇所。

いいところ、ついてくるなーという感じ。
まあ、ヒット曲やドラマの名せりふというのはある程度人の心をつかむツボを心得て、そこをついてくるものではある。

<ツボをつくフレーズは陳腐だ>

最近なんてこのメッセージ性が強い歌がやたらと跋扈していて、食傷ぎみでさえあるのだが。
たとえばコブクロ。スマップが歌った「世界にひとつだけの花」(くしくもマッキーの作品なのだ)とも共通するのだが、道端の咲く名もない花にも命が、とかナンバーワンよりオンリーワンみたいな陳腐なフレーズ。
マッキーは、薬物事件の後、メッセージ性を強め、「世界にひとつだけの花」のあとも似たようなメッセージソングを出しているし(曲と声のおかげでスマップほどいやらしく聞こえない)、スマップも「世界にひとつだけの花」が当たったあと、女性はみんなきれいだとか、ありがとうありがとう、とかの世界に行っちゃっていますね。アイドルも30過ぎれば普遍的メッセージに帰着するといういい例です。

話がそれてきましたが、いずれにしてもこれらのメッセージ、どのフレーズもみんなの耳に心地よく、かつ正論。新興宗教にも通じると思いませんか?
だからつまり、誰もがうなずく、ということは誰もが考える、思いついてもおかしくないフレーズだということ。ある程度のセンスは必要だとしても。

だから、くだんのマッキーの歌詞だって、偶然「銀河鉄道999」と同じような内容になっても何の不思議もないんじゃないかって思うのです。ここまで合致したら偶然すぎるのかなぁ。

<みすずも同じ>

数年前になりますが、NHK「みんなの歌」を聞いていて驚いた。
「みんな違ってみんないい」っていう歌詞だったから。今なら誰もが知っている、金子みすずさんの詩の一節です。そのころはまだみすずブームの走りだったから知らない人も多かったのかもしれない。だからその歌詞がみすず原案であるとかまったく触れないで、堂々とみんなの歌オリジナルとして発表されていました。

みすず自体一種のメッセージですからね。現代人の共感を呼ぶ。だからみんなの歌にもぴったりだった。

<刷り込みは無自覚だけに怖い>

いやしかし、もしかするとみんなの歌の作詞者さんもマッキーも、どこかでみすずや松本さんのフレーズを目にしていたのかもしれない。共感もしたのかもしれない。
それをまったく意識しないうちにあたかも自分の発想であるように思いこんでしまったということもあります。「刷り込み」ですね。

こうなるとホント難しい。もちろんプロとして発表する際には絶対NGではあるでしょう。しかし、こんなこと無自覚ながら自分にも覚えがあるだけに怖い。

これも以前「さもしい」テーマの時に「さもしいと聞くと、新八犬伝のあぼしさもじろうと思い出す」と書いたのですが、とある方がその半年ほど前に同じことを書いていたのを発見したときは心底驚愕しました。
確かに私はその文章を読んでいたのです。しかしまったく覚えていなかった。そしてそれがずっと前から自分がそうであったかのように思い込んでいた。
知らないうちに自分のオリジナルの体験だと同化してしまっていたのですね。

そんな経験があるだけにマッキーの件にしてもどうしても非難できないものを感じています。
ファンだから、かたを持っているだけなのでしょうか。

アーティストはファンを裏切らない?いや裏切ることも、あるか。

カテゴリー[ 独断と偏見・こんなこと ], コメント[12], トラックバック[0]
登録日:2006年 11月 10日 20:24:22

コメント

いやー難しいねー
だって、メロディーでもあるものね。
部分的にどこか似た曲って・・・

うーん、詩だって、たぶんあるのだろうな。
どこかで刷り込まれたフレーズが。
でも一度発表したら、もう盗作でしたなんて謝るのも
簡単にはいかないかも。

だって、こういう人って謝ると、きっと、次からもそう言う風に
思われてしまうから。
信用にかかわって商売が困るものね。

私としてはいい曲だから許せるかな。
そして、ケミストリーが歌っているから特にね。
まあ、この論争が原因で歌が注目を浴びることに
なりましたが・・・・

スノーマン @ 2006年 11月 10日 23:32:01

スノー

ケミのファンですか?
私は今までケミの歌をよく聞いているわけではありませんでしたが、このマッキー提供の歌だけは、マッキーと知らずに聞いたときから心ひかれるものがありました。マッキーと知ってなるほど!って感じ。
ほんと、ストライクゾーンど真ん中!琴線にふれまくり。
ちょっとくらいどこかの歌詞が混じってたっていいや、なんて。笑

すずか @ 2006年 11月 11日 08:39:05

 
私は、音楽をメロディーで聴く人間なものですから、歌詞に耳を傾ける事は
殆ど無かったりします。
歌詞のメッセージ性も、「歌」においては重要なのかも知れませんが、個人
的にはメッセージ性を超越して、「迫力」や「音楽の一部分」と化した歌声の
ほうが好きです。

…なもので、カラオケに連れて行かれると、極端にレパートリーが少ない為
に苦慮する事になります。
さすがに、カラオケでGIPSY KINGS熱唱する訳にもいきませんので。。

余談ですが、かつての特技の一つに「即興(演奏)」があったのですけど、
現在はピアノやオルガン等に接する機会が無く、その腕もすっかり衰えてい
ます。
 

高瀬 @ 2006年 11月 11日 19:37:52

なかなか難しい問題ですよね。
あきらかにフレーズは酷似
でも、盗作するリスクを背負うほど
バカじゃないから、刷り込みがホントのところでしょう~

私たちにだって、日常の中で文章を書いたりすれば
自分の蓄積されてきた中での言葉が全体を占める。
当然、その中にはいろんな所からの情報が入ってるし、
この言葉は誰それのものだ!なんて
考えもしないし、勿論覚えてる訳がない。

ならば、いちいち商標登録でもするか!

ところで、「銀河鉄道」という言葉自体は
盗作には当てはまらないんだろうね~?
宮沢賢治が生きてたら、なんて言っただろ~

hide無精 @ 2006年 11月 12日 00:07:57

そんなこと言い出したら、生きてバカなことを繰り返してることが先人のパクリになりまさあ。

ということで。

ひとまねこてつ @ 2006年 11月 12日 11:15:27

右脳(最近のマイブーム)で共感を得たニュアンスが、
何かのきっかけで登場するのは、当然のことやないかいな。
言葉という形で商材になって利益を生むと問題に、
それを追求していったら、世の中訴訟だらけになりそう。

ところで、アパレル業界、「パクリ」が当たり前だって。
人間の身体を包むのに、それほど画期的なデザインって
創造できるわけではないので、有名デザイナーAさんのあの部分とBさんのこの部分を組み合わせてオリジナルにする・・とか。大部分が暗黙の了解みたいになってるらしいよ。

bonao @ 2006年 11月 12日 13:21:18

高瀬さま

そうそう、確かに歌詞なんてほとんど聞き取れませんよねー
マッキーものなど、メッセージ性の強い歌は歌詞が強烈で妙に耳に残ります。

肝心のメロディも似たようなものが多いですよね。

すずか @ 2006年 11月 13日 20:48:40

hideさま

「銀河鉄道」!笑
確かにそーだ!
でも、それを言ったら「コナン」とか「ルパン」とか、えーっと・・・山ほどあるぞ。

すずか @ 2006年 11月 13日 20:52:12

テツさま

つまり、進歩がない・・・ってことで。泣

すずか @ 2006年 11月 13日 20:55:27

bonaoさま

アパレル業界もそうかぁ。
そうかもねぇ・・・あんまり奇抜な服なんて着れないしね。
だいたい、流行なんて何年かおきの繰り返しだしねー
踊らされてる私たちもバカか。

すずか @ 2006年 11月 13日 20:57:15

こういう歌が流行るって平和な時代ですよね~。
北朝鮮の歌よりはマシかと。。。

盗作じゃなく感性が似てるだけではないかと(平和的解決)。

そうちゃん @ 2006年 11月 20日 16:28:07

そうちゃん

感性はもうメッセージソングすべて(とそれに感動するヒトたちみんな)に共通。
なんか、陳腐なんだよねー
そうか、平和か。それで平和なら平和が一番。笑

すずか @ 2006年 11月 20日 21:29:13

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プロフィール
さかぐち すずか
(女)
福岡は玄界灘に面した町で生まれ育つ。
九州大学卒業後、国と外郭団体にて女性労働行政に携わった後、大学の生涯学習研究所や弱小業界紙、大手進学塾の採点室を経て、現在、ライター&介護生活佳境&3人の子育て終盤戦。
「女・年寄り・子ども」の視点から、介護・おシゴト・受験・ちょこっとエコについて書いています。
なにごとも物事をナナメから見てしまうのが長所でもあり短所でもあります。

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