以前から、私が作成した英国強姦件数グラフが、
何の反論もないまま恣意的に利用されていて
歯がゆい思いをしている、と書いた。
2009/06/21 「更新再開」
2ch でみつけた時などはすでに dat 落ちしていて、
反論も釈明もできないことが多かったのだが、
ゆうべ初めてコメント可能なブログに
私のグラフが張られているのを発見した。
児童ポルノ規制は、犯罪を抑制していないではないか
(web 魚拓)
そこには、他人の手による別項目が追加された
改変グラフも同時に張られていたのだが、
私が作成したオリジナルグラフを指して
「なぜか注釈が削除されているので
規制賛成派は信用できるか疑わしい」
などと、あたかも私が都合の悪い事実を
隠ぺいしたかのように書いてある。
エントリの日付は昨日。アップ仕立てだな。
これは反論しない手はない。ということでコメント投下。
■ 引用開始 ■
はじめまして。Captain_nemo_1982 と申します。
本文中リンクの拙ブログにおける、英国強姦件数グラフに関して、
誤解がおありのようですので説明させていただきます。
>>なぜか注釈が減っている。
減っているのではなく、最初から無かったのです。
そのグラフは、 Rape Crisis centre にあったエクセルファイルから
作成した私のオリジナルであり、他の項目追加は他人の手によるものです。
元リンクは削除されていますが、英国総務省に同じグラフがあります。
http://www.homeoffice.gov.uk/rds/pdfs/100years.xls
(注・エクセルファイル)
>>前者の単純所持禁止以降、強姦認知件数と児童誘拐が増加している。
単純所持禁止以降というのは適切な解釈ではありません。
増加傾向がみられるのは1984年からですが、
単純所持禁止は1988年で、その前後に有意な変化は見られません。
すなわち、強姦件数増加の要因は他にあり、
単純所持禁止は何の影響も与えていない、と読み取るべきです。
これは、スコットランドやサイバー条約の影響に関しても同じです。
大体、犯罪の起因要素は、ほかにも貧困や治安状況などがあり、
表現規制のみを原因とするのは合理的ではありません。
いくらかは原因があるのかもしれませんが、規制の影響のみを
統計から純粋に抽出するのは技術的に不可能でしょう。
>>単純所持禁止やインターネットサイトの閲覧禁止措置などは
>>犯罪の抑制・減少を何一つ促してない。
単純所持禁止が、なぜ強姦などの性犯罪を抑止する必要があるのでしょう?
しかも、なぜ成人女性の強姦件数まで抑止する必要があるのでしょう?
(グラフにはありませんが、13歳未満の英国強姦件数は
1960年以降ずっと横ばいです)
普通に考えれば、単純所持禁止が期待される効果とは、
児ポ流通抑止や違反者への制裁措置であるはずで、
強姦抑止や強姦犯罪者への制裁は強姦罪が担うべきものです。
英国の強姦件数増加の原因としては、
●強姦罪告発要件の緩和 (1970年から匿名でも可能)
●強姦罪の定義拡大 (配偶者からの性行為強要が追加された)
●被害者支援体制の充実 (Rape Crisis centre、SARC)
などが考えられます。
残念ながら私の貧困な英語理解能力では、
英国のサイトから情報収集することは困難で、
色々あたって翻訳サイトなど駆使して調べましたが、
上記要因を根拠として断言できるレベルには至っていません。
しかし、資料をあさる気持ちがおありならば、
そっちの可能性も考慮に入れておく方が
よろしいのではないかと思います。
>>規制賛成派というのがどこまで信用できるか疑わしくなる。
規制反対派は、私の上記リンクエントリの主張に全く反論できていません。
それでいながら、私が作成したグラフをそのまま、もしくは改変して
単純所持禁止 = 強姦罪増加の要因 の根拠として
あちこちにばらまいています。
したがって、信頼に値しないのは規制反対派の方であると
考えております。
なお、付け加えておきますが、私は16歳未満不法性的交流の
減少傾向も、英国児ポ法と何の関係もないと考えています。
減少傾向は、頒布禁止以前から始まっているからです。
繰り返しますが、犯罪の起因要素を表現規制のみに
求めるという発想自体無理があると思いませんか?
もっと露骨に言えば、デンパが強すぎるとは思いませんか?
■ 引用終了 ■
残念ながら、コメントは承認制なので、
現時点では反映されていない。
ついでだから、トラックバックも打っておいたが、
どういう反応があるか、要注目である。

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