尾道市などを舞台に放送されているNHK連続テレビ小説「てっぱん」の波及効果で、同市の観光地などがにぎわっている。飲食店、観光施設の利用者は増加し、イベント来場者数も前年を上回っている。
本通り商店街のお好み焼き店経営藤井央さん(62)は「こんなに繁盛するのは23年前の開店以来だ」と驚く。
市観光課によると、10月の千光寺山ロープウェイの乗車人数は2万7505人で、前年同月を5577人(約25%)上回った。観光バスが止まる市営長江口駐車場の利用台数は前年同月より74台多い199台に上る。11月もそれぞれ前年同月を上回るペースで伸びている。
イベントの来場者数も前年を相次いで超えた。10月30日の「尾道灯(あか)りまつり」は1万人増えて10万人(主催者発表)。11月3日の「尾道ベッチャー祭り」は2倍の10万人(同)が訪れた。
ドラマのロケ地を巡る観光客が急増。千光寺公園内にある鼓岩(つづみいわ)も人気スポットの一つだ。
ボランティアガイドグループ「観光パートナー尾道の会」の槙憲郎さん(68)は「古寺巡りが定番だが、今は『テレビで出た場所を案内して』という注文が多い」と明かす。市観光課は「ドラマの効果を肌で感じる」と話している。
【写真説明】ドラマに登場する鼓岩に立ち寄る観光客たち
|