【社説】新国防長官は使い物にならない武器を交換せよ(下)
水上を走行できるといわれる装甲車K-21は、湖の中に入った直後に重心を失って沈没してしまった。2018年までに3兆9000億ウォン(約2830億円)を投入し、370台以上の導入を目指していた戦車XK-2(通称・黒ヒョウ)の開発事業は、エンジンの欠陥が発見され、量産体制に入れる時期さえ分からない状況にある。
延坪島への砲撃は、敵がどの場所から、どのような武器で攻撃してくるかを把握できる絶好の機会だった。北朝鮮はこれまで数十年にわたり、予想外の地域から想定外の方法でこちらのスキをつくために綿密な準備を重ねてきた。休戦ライン周辺に配備された韓国軍に対し、背後から攻撃を加えるためトンネルまで掘っていたほどだ。また北朝鮮が18万人の特殊部隊を養成しているのも、このような目的のためだ。深夜に低空軽飛行機のAN-2で密かに潜入してくる可能性もあれば、潜水艦や高速艇などで海上から侵入してくる可能性も考えられる。さらにゲリラ部隊が発電所や電線、上水道などを攻撃した場合、それによって起こり得る混乱は想像を絶するものだ。韓国の政府機関やインフラを混乱させるサイバー攻撃部隊の育成も、北朝鮮は積極的に行っている。
北朝鮮は戦争に備え、重要な施設はほぼ地下に隠していると言われる。そのためイージス艦や誘導ミサイルなどの通常兵器だけでは、金正日(キム・ジョンイル)の軍隊を足止めし、その野獣のような本性を沈めることはできない。北朝鮮からの攻撃が正規軍であれ非正規軍であれ、それらを一気に壊滅できるだけの戦力を、われわれは常に維持していなければならないのだ。大韓民国は世界10位圏の経済力を誇っているが、それらのすべてを北朝鮮の制圧に投入するという覚悟を持ったとき、彼らもわれわれを恐れるようになるだろう。その第一歩として、新しく就任した国防長官は、まずは休戦ライン周辺に配備された、使い物にならない武器を交換することから始めなければならない。