この日の予算委は、海上保安官が衝突映像を流出させたとの第一報が流れた直後で、野党の厳しい追及が予想された。しかし、だからと言って国会中継をやめさせようとは、どこが「開かれたクリーンな政党」なのか。民主党はその看板を、掛け替える必要がある。
「オレのところに来るな!」
そして、そんな幼稚で身勝手な民主党を牽引してきた仙谷官房長官も、メッキが剥がれ、心身ともに限界が見えてきた。現役閣僚の一人は、仙谷官房長官が、こうこぼすのを耳にした。
「みんな、オレのところに丸投げしてくる・・・。菅は本当に何も考えていない」
疲れが溜まり頭が朦朧としてくると、逆にイライラが募る。必然、日々の言動にも異変が表れてくる。
「怒りっぽくなり、夜回りの番記者に、『もうオレのところに来るな!』と怒鳴ったりしています。ここ1ヵ月ほどの間に、ベロベロに酔っ払って、秘書官に支えられないと歩けないような状態で帰宅したことが何度もありました。『壊れかかっている』という見方が、記者の間でも広がっています」(全国紙政治部デスク)
尖閣衝突ビデオに、警視庁テロ対策情報の流出。国会運営の混乱と、補正予算案などの審議の難航・・・。
「最近の仙谷氏は、流動食を一日数回に分けて摂り、辛うじて体力を維持しているようです。今後、国会での乱暴な答弁はもっと増えるでしょうし、結果的に菅内閣の支持率は、さらに低下していくでしょう」(政治評論家・浅川博忠氏)
仙谷氏はこれまで、菅はバカ、他の大臣もみんなバカ、と言わんばかりの態度で自分が前に出てきて、民主党政権を仕切ってきた。ところがその結果、負担が増えすぎて手が回らなくなっているのだから、自業自得と言えなくもない。
尖閣ビデオ流出事件の裏では、「官邸崩壊」を象徴する、こんなこともあった。
ビデオが「YouTube」上にアップされた11月4日夜、新聞記者からその情報を聞いた民主党の川内博史前国交委員長は、慌てて官邸に電話を入れた。仙谷氏に、事実関係と、対策などを確認するためだ。
ところが、官邸の反応は驚くべきものだったという。
「仙谷氏にコンタクトを取ろうと官邸に電話を入れたのは、夜12時前です。すると、秘書官が出て『長官にはお繋ぎできない』と言う。この非常時になぜだと問い質したら、『官房長官は、すでにお休みされています。その件は明日朝、長官にお伝えします』と言われ、呆気に取られました」
菅政権において、重大情報は、まず仙谷氏のもとに集められる。しかし、その仙谷氏が極度の疲労で寝込んでいる場合、危機管理どころか、官邸の機能そのものが完全に停止するわけだ。
実際、衝突ビデオがネット上を賑わせ始めていたその頃、仙谷氏によって「情報過疎」の状態に追いやられている菅首相が何をしていたかと言えば、別の民主党議員と無邪気に一杯やっていたのであった。
証言するのは、民主党の斎藤勁国対委員長代理だ。
「あの日は、菅さんから『国対委員長代理の就任祝いをやろう』とお誘いを受け、赤坂の日本料理店で夜9時過ぎから会食をしていました。その場には首相秘書官もいましたが、ビデオ流出に関し、何らかの報告が入った気配はまったくありませんでしたね」
菅首相がこの宴席を後にしたのは午後11時過ぎ。すでにネット上で騒ぎが広がり始め、マスコミも動き始めていた時間である。
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