国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士のために食料や実験機材を送る無人補給機HTV(愛称こうのとり)。2011年1月20日、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられる2号機には、種子島の飲料水も積み込まれ、宇宙飛行士ののどを潤す。
宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)によると、HTVで飲料水を運ぶのは初めて。2号機には、既に20キロの専用運搬バッグ4袋が積載された。ISSへ送る物資を決めるのは米国航空宇宙局(NASA)で、これまで飲料水はNASAが用意していた。今回は、種子島までの輸送コストなどを理由に地元での調達を要請されたという。
原料水はセンター内の貯水池で採水し、精製機で不純物を除去、殺菌剤として微量のヨウ素を加えて、最長1年の長期保存を可能にした。飲用時はフィルターを通してヨウ素を取り除く。
宇宙機構は「今回は試験的で量が少ないが、今後は一回に600キロを運ぶ計画」としている。
=2010/11/26付 西日本新聞朝刊=