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田村正和、声枯らし清張ドラマの難役 「球形の荒野」26日

2010年11月25日17時48分

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写真:フジテレビ松本清張スペシャル「球形の荒野」に主演する田村正和(中)と、江口洋介、比嘉愛未拡大フジテレビ松本清張スペシャル「球形の荒野」に主演する田村正和(中)と、江口洋介、比嘉愛未

写真:男の孤独をどう演じるか、迷い悩んだという田村正和拡大男の孤独をどう演じるか、迷い悩んだという田村正和

写真:良家の子女の上品な仕草を心がけたという比嘉愛未拡大良家の子女の上品な仕草を心がけたという比嘉愛未

写真:真相を追う刑事役には江口洋介拡大真相を追う刑事役には江口洋介

 戦争の「亡霊」がいまだ漂う昭和30年代を骨太に描いた松本清張の長編小説「球形の荒野」のドラマが26日から、2夜連続で放送される。制作発表会見で、主人公の「死んだはずの外交官」に扮する田村正和をして「例えようのない孤独をどう演じるか、四苦八苦した」としみじみ言わしめた、深い哀愁と陰影を帯びた大作。江口洋介、生田斗真も脇を固め、世代の異なる男たちの懸命な姿を描く。脚本、演出などスタッフにも著名どころを集めている。

【写真特集】田村正和、比嘉愛未、江口洋介らが語るドラマの魅力

 原作「球形の荒野」の設定は昭和36年だが、今回は東京オリンピックが開かれた同39年に移してドラマ化された。「もはや戦後ではない」と言われた高度成長期、ふと姿を現した謎の男が実は戦争末期に死んだはずの外交官であり、戦渦によって人生を狂わされていたことが次第に明らかになっていく。

 田村は独特の低くハスキーな声をますます枯らして絞り出すように、「平和ボケしている我々には想像もつかない戦争。それに巻き込まれ、限りなく孤独な荒野を歩いて来た男をどう演じるのか悩みました。登場の仕方も断片的だし、とらえどころがない」と、難しさを吐露。今回ばかりはオンエアが心配ともらす。松本清張作品は、昨年もドラマ「疑惑」(テレビ朝日系)を演じている。

 今回脚本を手がけたのは「踊る大捜査線」の君塚良一。「田村さんに半端なものは作れない。『踊る〜』よりもプレッシャーでした。5キロはやせました」。演出は「東京ラブストーリー」以来、数々のヒット作を手がける永山耕三が担当している。

 作品に色濃く影を落とす戦争。昭和18年(1943年)、京都に生まれた田村は、駅のホームに引き揚げ者が降り立ったり、負傷兵が楽器を弾いたりしていた子供の頃の記憶が忘れられないという。永山は「松本清張の作品はそれ自体が昭和史。僕は戦後10年ぐらいして生まれたが、戦争の空気は知っている。それを伝えていかなくては」と語った。

 田村演じる謎の男を追う元兵士の刑事役・江口は「昭和を感じさせる武骨な男。自分の足だけで真相を突き止める人臭さを打ち出したい」と話す。若手刑事役の生田は「未来に希望を持った若者が日本を支えていくんだという気力を感じてもらえたら」との思いを手紙で寄せた。

 田村の娘役には比嘉愛未。終盤、2人の出会いがドラマのクライマックスとなる。「沖縄出身なので、戦争はいつも身近でした。あの時代を経験した家族、人物像が素晴らしく描かれています」と、見どころを語った。

 放送はフジテレビ系で両日とも午後9時から。(アサヒ・コム編集部 文・柏木友紀 写真・戸田拓)

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