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子どもの過激写真は「虐待」橋下知事、規制条例案提出へ

2010年11月26日17時55分

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 児童ポルノ規制を検討している大阪府の青少年問題協議会(座長=野口克海・大阪教育大監事)は26日、18歳未満の子どもが水着や下着姿などで「扇情的な」ポーズをとる写真や映像を、「子どもの性的虐待の記録」と定義する答申を橋下徹知事に提出した。知事はこうした写真や映像を規制する条例改正案を2月府議会に提出する方針。写される子ども側の立場に立って「虐待」と位置づける条例が可決されれば、全国初となる。

 答申は、児童ポルノを「性欲を興奮させ、または刺激するもの」と定義している児童買春・児童ポルノ禁止法について、「見る側の視点」であり、扇情的なポーズの映像などを規制できていない、と指摘。被写体にされる子どもを守る観点から、こうした映像を「性的虐待」と位置づけ、出版物やDVDなどを製造、販売、所持しないよう努力する義務を求めた。今後、「扇情的な」の定義について専門家らと協議して詰める。罰則を設けるかどうかは未定という。

 児童ポルノをめぐっては、憲法で定められた「表現の自由」との兼ね合いもあり、規制の手法について府は協議会などで検討を重ねてきた。府内の書店で「ジュニアアイドル誌」と呼ばれる、大人のモデルのような過激なポーズをした子どもの写真集が売られていることも確認。児童ポルノ法の規制がなかったこの種の写真なども「性的虐待」にあたるとして、被写体側の視点で規制することを狙った。

 答申を提出した野口座長は「今までのポルノの規制は大人の観点だった。子どもの人権問題などを考え、これは『表現の自由』以前に許されることではないと一致した」と語った。橋下知事は「表現の自由は、『いの一番』に守らなきゃいけない権利だが、被写体の守るべき利益もある。表現の自由とは範疇(はんちゅう)の違う問題だ」と述べた。(池尻和生)

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