この冬、心温まる2つのファミリーミュージカル『雪ん子』『人間になりたがった猫』が自由劇場にて交互上演されます。先日お届けした『人間になりたがった猫』稽古レポートに続き、12月8日(水)から始まる『雪ん子』も現在稽古の真っ最中。9年ぶりの再演となる、寒い冬にぴったりのこの物語を、稽古場の様子と共にご紹介しましょう。
純白の心を持った雪ん子・ゆきが、江戸の街に舞い降ります
身も凍る寒さの、江戸の街。度重なる地震、火事、飢饉に人々の心は冷たく閉ざされています。
そこに現れたのは、人一倍元気な男、人さらい。
「やい。俺は怖い人さらいだ。俺ァな、暗くなっても街をうろつく子供が大好きだ。可愛くて可愛くてしかたがねえ」
江戸っ子独特の言い回しを響かせ、小粋に踊り出します。
稽古の指導も担う加藤敬二。「役の心境をもっと深く理解して」と俳優たちに課題を投げかけます
冬の江戸は何十年振りかの大雪。その雪に誘われるかのように「雪よ、降れ降れ」と歌いながら、スリの子どもたちがやってきます。
身よりのない子どもたちは、生活のために“スリ”をして生きていたのです。
子どもたちは、アクロバティックでキレのあるダンスを次々披露します
その様子を天の上にある雪の世界から見ていたのは、雪ん子の“ゆき”と、両親の雪の王と雪の妃。
“生まれついての悪い人ではないのに、どうして悪いことをするんだろう”
ゆきは街の人々の暮らしを見て疑問に思います。そして12歳のゆきは、雪の世界のしきたりで、スリの子どもたちを救い、暖かな春をもたらすため、地上へと舞い降りるのでした。
雪の王、雪の妃と一緒に地上を見下ろす、ゆき
ゆきが地上で初めて出会ったのは、あの人さらい。純粋で可愛いゆきは、人さらいにだまされ、葬儀屋の夫婦に売り飛ばされそうになったり、俵屋の養女にされそうになったり、大変な目に会ってしまいます。
江戸っ子たちの、粋でいなせな言葉遣いが稽古場に響きます
その時、風のように現れたスリの子どもたち。うめ・さくら・まさ・げん・さぶ・くろの6人です。子どもたちは、ゆきが地上に身よりのないことを知り、ゆきを仲間に入れようと親方の義平次にかけ合います。
義平次と子どもたちの賑やかなやり取りが続きます
ゆきは子どもたちと仲間に。けれどゆきの願いは、子どもたちがスリをやめてまっとうな暮らしをすること。そこで12歳のゆきは子どもたちが幸せにいられるように、ある決心をするのでした――。
みんなの心を一つにして生きていってほしい。そう願う小さなゆきが、愛を込めて人々の心に暖かな種をまく、そんな物語『雪ん子』。
江戸っ子ならではの粋な言葉遣いや、スリの子どもたちが披露する迫力満点のダンスも注目の作品です。
間近に迫った開幕に向け、俳優たちは今日も浴衣の帯を締め直し、稽古を重ねています。
現在、稽古に励む出演予定キャストたち
※出演予定キャストは都合により、変更になる場合がございます。
ゆき 雪の王 雪の妃 人さらい 俵屋蔵右衛門 妻きぬ 番頭平助 葬儀屋黒兵衛 妻つぎ 親方の義平次 はやてのげん 韋駄天のくろ 仏のさぶ ドジのまさ さくら うめ |
『雪ん子』
自由劇場
12月8日(水)開幕
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『人間になりたがった猫』
自由劇場
12月10日(金)開幕
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