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北の韓国砲撃 「危機の宰相」演出に全力 鬼門の安保…政権崩壊も

産経新聞 11月24日(水)7時57分配信

北の韓国砲撃 「危機の宰相」演出に全力 鬼門の安保…政権崩壊も
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菅直人首相(写真:産経新聞)
 菅直人首相は北朝鮮が韓国西方沖の延坪島を砲撃したことを受け、首相官邸で自ら国民に向かって日本政府として情報収集に全力を挙げていると説明した。国会軽視発言による柳田稔前法相の更迭などで満身創痍(そうい)の首相は、今回の砲撃で「危機の宰相」を演出できれば干天の慈雨になるが、安全保障は首相にとっての鬼門。対応を誤れば政権浮揚どころか政権崩壊を招きかねない。(加納宏幸)

【フォト】延坪島への砲撃を報じる韓国の地元紙

 「大変なことが起きたなあ…」

 菅首相は23日午後4時過ぎ、首相公邸の部屋でニュース番組に見入り、こうつぶやいた。首相はそれでも、民主党の斎藤勁国対委員長代理と約40分、野党側が提出予定の仙谷由人官房長官らに対する問責決議案への対応など国会運営をめぐって意見交換を続けた。23日夜の砲撃事件関係閣僚会議後には、鉢呂吉雄国対委員長が官邸に入った。

 「北朝鮮が韓国の島に砲撃を加え、韓国軍も応戦したという報道があり、私にも3時半ごろに秘書官を通して連絡がありました」

 首相は斎藤氏との会談を終えると官邸で記者団の前に立ち、険しい表情で語った。政府として危機管理に万全を期していることをアピールし、国会での劣勢を盛り返す意図があったとみられるが、北朝鮮への非難の言葉は一切なかった。

 首相は22日に国会を軽視する発言をした柳田前法相を更迭したばかり。野党側は、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突のビデオ映像流出事件で仙谷氏らの問責決議案提出の構えを見せる。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査の内閣支持率も過去最低の21・8%を記録し、完全に「死に体」の状態にある。

 突然起こった北朝鮮による砲撃。菅政権が政権浮揚のきっかけにしたいと考えてもおかしくない。

 民主党幹部はいう。

 「今回の砲撃に加え、北朝鮮の大規模ウラン濃縮施設の公開で情勢は緊迫してきた。野党側が問責決議案で国会審議をストップさせれば、世論から『そんなことをしている場合か』との批判を浴びるはずだ」

 北朝鮮による危機が政権浮揚につながった前例はある。昨年4月、当時の麻生太郎首相はやはり20%台の低支持率にあえいでいたが、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射準備に対して毅然(きぜん)とした姿勢を示し続け、内閣支持率も一時、回復基調に転じた。

 自民党は仙谷氏らの問責決議案で平成22年度補正予算案の成立を遅らせようとしている。ただ、今回の砲撃で、このまま強硬路線を押し通していいのか迷いが生じ始めている。参院国対幹部は「これで決議案に関する対応が変わるかと聞かれてもどうなるか分からない。すべては明日からだ」と悩ましげに語った。

 しかし、中国漁船衝突事件で対応を誤り支持率を低下させた首相が、失策を重ねれば、さらなる支持率低下を招く。「すべては明日から」という言葉は、首相の肩にも重くのしかかる。


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最終更新:11月24日(水)15時46分

産経新聞

 

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