財務委員会

【財務委員会とは何か】

当フォーラムの管理、運営について主たる責任を担っているのは理事会であるが、理事会のいわばインナーキャビネット的な存在として、当フォーラムの経営の大前提となる財務的基盤の強化について頼もしい役割を果たしているのが、この財務委員会である。

財務委員会は1989年6月2日発足すると同時に、「法人正会員の20口増口キャンペーン」に取り組んだが、このキャンペーンは翌年9月10日に目標を超過する25口増口の成果を達成して成功裡に終了した。その後の日本経済のバブル崩壊のなかで経営上の苦渋を味わった公益法人は多いといわれるが、当フォーラムは財務委員会の尽力と会員の深い理解に支えられて、退会等はほとんどないまま、これを乗り切った。1994年2月1日には調査研究部門の拡充に着手し、これまでの本部事務所に加え新たに分室を開設したが、財務的基盤の強化があって初めて可能になったことであった。

【財務委員名簿】

財務委員長 財務委員
財務委員長
今井  敬
市川伊三夫
池田 弘一
石井  直
井上 明義
歌田 勝弘
小笠原敏晶
小池百合子
築舘 勝利
豊田章一郎
中村 公一
野村 哲也
服部 靖夫
半田 晴久
福澤  武
茂木友三郎
伊藤 憲一
平林  博
(五十音順)

運営委員会

【運営委員会とは何か】

理事会を補佐して、当フォーラムの事業活動の基本的な方向や具体的な内容を企画し、立案する中心となっているのが、運営委員会である。政策委員会の取りあげる研究テーマの選定も、まず政策委員全員にアンケートが出され、その結果をもとに運営委員会において慎重な審議がなされ、その結果が政策委員会に提案されて、了承されている。個人正会員のなかから有識者政策委員を選ぶ人選も、実質的には運営委員会においてなされている。運営委員会は、本来の目的、時代の要請、会員の希望などを総合勘案して、幅広い目配りのなかで、当フォーラムの活動の方向性を打ち出している。

【運営委員名簿】

運営委員長 副運営委員長 運営委員
運営委員長
小笠原敏晶
副運営委員長
袴田茂樹
今井  敬
鵜野 公郎
金森 久雄
黒田  眞
住田 良能
田久保忠衛
中田 正博
半田 晴久
平林  博
廣野 良吉
屋山 太郎
吉田 春樹
伊藤 憲一
渡辺  繭
矢野 卓也
(五十音順)

政策委員会

【政策委員会とは何か】

設立当初より、一貫して当フォーラムの活動の中核を成すものが、政策委員会の政策研究およびそれを踏まえた政策提言発表の活動であった。政府から独立した民間・非営利の立場から外交・国際問題というもっとも公共性の高い問題について、公正・中立な意見を発表し、政府に建言するとともに、国民世論の形成に資したいというのが目的である。

当フォーラムは、外交・国際問題に関し、会員間の議論、研究、提言を促し、もって内外の世論の啓発に努めることを目的としているが、それ自体が組織として特定の政策上の立場を支持、もしくは排斥することはない。政策委員会によって採択される「政策提言」の内容に対して責任を有するのは、その「政策提言」に署名する政策委員のみであって、当フォーラムおよびその「政策提言」に署名しない当フォーラムの役員、評議員、政策委員、会員等は、その内容に対していかなる責任を負うものでもない。

【政策提言はどのようにして作られるか】

政策委員会が、特定の政策テーマについて研究、審議し、最終的に提言として採択するにいたるプロセスは多数の人の知恵と汗を結集したものである。

政策委員会は、テーマごとに1年余の期間をかけて、政策を審議し、提言する。その際、当該テーマに精通した政策委員の1人が提言起草委員に選ばれ、同委員の推薦により選任された提言起草委員補佐との2名体制により政策委員会の議論をフォローし、その採択する提言の原案を起案する。各提言が採択されるまでに、提言起草委員、同委員補佐ならびに事務局により組織された「提言起草会合」が通常計5回、政策委員会は通常計4回(2回の全体会議と2回の部会)開催される。部会は、政治安全保障部会と経済社会文化部会に分かれ、各政策委員はそのいずれかに所属する。政策委員会は、その最後の全体会議で、提言起草委員の起案した案を修正し、その採否を審議するが、出席政策委員の3分の2以上の賛成が得られなければ、その案を正式の「政策提言」として発表することはできない。このようにして採択された「政策提言」は、その提言に賛成して署名する政策委員の連名で発表され、内閣総理大臣に提出されるとともに、記者会見(英語ならびに日本語による)を通じて国内外に発表される。

これまでの33回に及ぶ政策提言の内容は、そのたびに、内外の通信社によって全世界に即日配信されるほか、主要新聞においても報道されている。

当フォーラムとしても、「政策提言」(日英両語版)を約3000部印刷し、内外の指導者、有識者、オピニオン・リーダー等に直接送付している。これに対しては、クリントン米大統領(当時)からの直筆の礼状をはじめとして、世界各国、各方面より多数の激励や反響が直接、当フォーラムに寄せられている。また第32政策提言については、全国紙3紙および英字紙2紙に一面全面の意見広告として発表し、多くの反響を呼んだ。

【政策委員名簿】

政策委員長 副政策委員長
政策委員長
伊藤 憲一
副政策委員長
吉田 春樹

<財界人政策委員>

浅野 晴彦 中部電力副社長
池田 弘一アサヒビール会長兼CEO
石井  直 電通専務執行役員
井上 明義三友システムアプレイザル社長
今井  敬新日本製鐵名誉会長
氏家 純一野村ホールディングス会長
歌田 勝弘味の素特別顧問
小笠原敏晶ジャパンタイムズ会長/ニフコグループ代表取締役会長
長田 士郎 竹中工務店常務執行役員
川村  隆 日立製作所代表執行役執行役会長兼執行役社長
北島 義俊大日本印刷社長
北村 雅良 電源開発社長
木村  宏日本たばこ産業社長
斎藤  彰読売日本交響楽団理事長
鈴木貞一郎 アトックス会長
田中 達郎 三菱東京UFJ銀行副頭取
丹波 俊人伊藤忠商事副社長
築舘 勝利東京電力監査役会会長
塚本清士郎塚本總業社長
豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長
土橋 昭夫 双日代表取締役会長
中静敬一郎 産経新聞社論説委員長
中田 正博時事通信社社長
中原 秀人 三菱商事取締役常務執行役員
中村 公一山九社長
野村 哲也清水建設会長
服部 靖夫セイコーエプソン副会長
半田 晴久 世界開発協力機構総裁
福澤  武三菱地所相談役
福田  督中国電力会長
茂木友三郎キッコーマン会長CEO

<有識者政策委員>

(政治・安全保障部会)

愛知 和男 日本戦略研究フォーラム理事長
秋元 一峰 海洋政策研究財団主任研究員
秋山 昌廣 海洋政策研究財団会長
浅尾慶一郎 衆議院議員(みんなの党)
阿曽村邦昭 ノースアジア大学教授
荒井 好民 国際学生交流会館理事長
有馬 龍夫 中東調査会理事長
池田 十吾 国士舘大学大学院政治学研究科委員長
石垣 泰司 アジアアフリカ法律諮問委員会委員/外務省参与
石津 朋之 防衛省防衛研究所主任教官
伊藤 英成 元衆議院議員
伊藤  剛 明治大学教授
伊奈 久喜 ジャーナリスト
猪口 邦子 参議院議員(自由民主党)
猪口  孝 新潟県立大学学長
今井 隆吉 世界平和研究所研究顧問
岩國 哲人 前衆議院議員
岩間 陽子 政策研究大学院大学准教授
上田 秀明 外務省参与
鵜野 公郎 慶応義塾大学名誉教授
遠藤 浩一 拓殖大学教授
大江 志伸 江戸川大学教授
大藏雄之助 異文化研究所代表
太田 正利 元駐南アフリカ大使
大谷 立美 創価女子短期大学教授
大宅 映子 評論家
小笠原高雪 山梨学院大学教授
小川  元 元衆議院議員
小此木政夫 慶應義塾大学教授
折田 正樹 国際情勢研究会会長
神谷 万丈 防衛大学校教授
川上 高司 拓殖大学教授
河東 哲夫 Japan-World Trends代表
木村 崇之 外務省参与
久保 文明 東京大学教授
近衞 忠W 日本赤十字社社長
斎藤 直樹 山梨県立大学教授
斎藤 元秀 杏林大学教授
坂本 正弘 日本戦略研究フォーラム副理事長
佐久田昌昭 日本大学名誉教授
佐島 直子 専修大学教授
佐藤 行雄 国家公安委員会委員
澤  英武 評論家 
澤井 昭之 元駐ノルウェー大使
進藤 榮一 筑波大学名誉教授
杉内 直敏 元駐ルーマニア大使
鈴木 馨祐 前衆議院議員
鈴木 棟一 政治評論家
鈴木 淑夫 元衆議院議員
添谷 芳秀 慶應義塾大学教授
曽根 泰教 慶應義塾大学教授
高原 明生 東京大学教授
田久保忠衛 杏林大学名誉教授
竹内 行夫 最高裁判所判事
武貞 秀士 防衛省防衛研究所統括研究官
角田 勝彦 日本ウルグアイ協会会長
東郷 和彦 京都産業大学客員教授
トラン・ヴァン・トゥ 早稲田大学教授
中谷 和弘 東京大学教授
鍋嶋 敬三 評論家
西尾 幹二 電気通信大学名誉教授
西村 眞悟 前衆議院議員
袴田 茂樹 青山学院大学教授
畑   恵 作新学院院長代理
畠山  襄 国際経済交流財団会長
日高 一雄 日高一雄事務所代表
平泉  渉 鹿島平和研究所会長
平沼 赳夫 衆議院議員(たちあがれ日本)
廣野 良吉 成蹊大学名誉教授
吹浦 忠正 ユーラシア21研究所理事長
船田  元 前衆議院議員
古川 元久 衆議院議員(民主党)
正木 寿根 国際ジャーナリスト
松井  啓 元駐カザフスタン大使
宮坂 直史 防衛大学校教授
宮本 信生 外交評論家
宮脇 磊介 宮脇磊介事務所代表
森本  敏 拓殖大学海外事情研究所長
山内 昌之 東京大学教授
山根 隆治 参議院議員(民主党)
矢野 卓也 日本国際フォーラム研究室長
屋山 太郎 政治評論家
湯下 博之 元駐フィリピン大使
吉田 康彦 大阪経済法科大学客員教授 
若林 秀樹 前参議院議員

(経済・社会・文化部会)

青木  保 青山学院大学大学院特任教授
井口  泰 関西学院大学教授
池尾 愛子 早稲田大学教授
市川伊三夫 世界経済調査会監査役
内田 忠男 国際ジャーナリスト
内田 富夫 日韓文化交流基金理事長
浦野 起央 日本大学名誉教授
大木  浩 全国地球温暖化防止活動推進センター代表
大場 智満 国際金融情報センター理事長 
岡   照 前大垣女子短期大学教授
加藤  寛 嘉悦大学学長
金森 久雄 日本経済研究センター顧問
河合 正弘 アジア開発銀行研究所所長
木下 俊彦 早稲田大学大学院客員教授
木下 博生 全国中小企業情報促進センター参与
木村 明生 青山学院大学名誉教授
黒田  眞 安全保障貿易情報センター理事長
小池百合子 衆議院議員(自由民主党)
斉藤 昌二 元三菱化学顧問
榊原 英資 青山学院大学教授
櫻田  淳 東洋学園大学准教授
左近允尚敏 平和・安全保障研究所評議員
志方 俊之 帝京大学教授
志鳥 學修 航空評論家
篠塚  徹 拓殖大学副学長
島田 晴雄 千葉商科大学学長
清水 義和 日本国際連合協会理事
鈴木 崇弘 シンクタンク2005・日本理事・事務局長
紿田 英哉 国際教養大学理事・教授
高島 肇久 学習院大学特別客員教授
高橋 一生 国連大学客員教授
竹中 一雄 竹中事務所代表
田島 高志 元駐カナダ大使
田中 俊郎 慶應義塾大学教授
田原総一朗 評論家
塚崎 公義 久留米大学教授
堂之脇光朗 日本紛争予防センター理事長
内藤 正久 日本エネルギー経済研究所顧問
中西  寛 京都大学公共政策大学院教授
奈須田 敬 並木書房会長
橋本  宏 元駐オーストリア大使
長谷川和年 元駐オーストラリア大使
平林  博 日本国際フォーラム副理事長
広中和歌子 前参議院議員(民主党)
福島安紀子 国際交流基金特別研究員
細田 博之 衆議院議員(自由民主党)
本間 正義 東京大学教授
前田 武志 参議院議員(民主党)
増田 明男 ジャーナリスト
眞野 輝彦 元東京三菱銀行役員
茂木賢三郎 日本芸術文化振興会理事長
森  敏光 元駐カザフスタン大使
森井 敏晴 天理教名古屋大教会前会長
安江 則子 立命館大学教授
山澤 逸平 一橋大学名誉教授
山下 英次 大阪市立大学大学院教授
米本 昌平 東京大学先端科学技術研究センター特任教授
渡辺 利夫 拓殖大学学長
渡辺  繭 日本国際フォーラム理事・総務主幹

(五十音順)

【政策提言の発表】

政策委員会による政策提言は、当フォーラム設立の当初から当フォーラムの活動の中核を成すものであった。政策提言は【政策提言はどのようにして作られるか】で説明したようなプロセスを経て採択され、時の内閣総理大臣に提出されるとともに、新聞発表される。

これまでに発表された32の政策提言、及び現在審議中の政策提言は次のとおりである。

ただし、7.「新段階を迎える市場開放」のみは、タスクフォースの研究および提言案作成活動としては完結したものの、政策委員会において、「政策提言」として発表するために必要な3分の2以上の賛成が得られず、その意味では廃案となったものである。また、17.「情報革命時代における世界と日本」は、日本電気、日本電信電話、CSKの3社の協賛を受けて実施された、当フォーラムとして初の冠提言であった。

小泉純一郎内閣総理大臣に提出する伊藤憲一政策委員長と猪口邦子主査

政策提言「新しい国際主義:集団的人間安全保障を目指して」を
小泉純一郎内閣総理大臣に提出する伊藤憲一政策委員長と猪口邦子主査

緊急提言委員会

【緊急提言委員会とは何か】

緊急提言委員会は、外交政策提言機関として誕生した当フォーラムとして、政策委員会の取り上げる中長期的な問題だけでなく、激動する内外情勢のなかでその変化に対応し適時適切な緊急提言を行なうことも必要ではないか、との問題意識から、寄附行為に依拠する4委員会の一つとして設立され、1992年6月4日から活動を開始した。

ウルグアイ・ラウンド交渉が最終段階に入っていた1993年2月5日、緊急提言委員会は本邦主要4紙に5段抜きの意見広告「『コメ輸入の関税化』受入れを決断しよう」を賛同する113名の連名で掲載し、その後のわが国政府の最終的態度決定に大きな影響を与えた。

その後、2001年6月29日には「対露政策に関する緊急アピール」をメンバー10名の連名により発表した。なお、このときアピールを起草した作業部会「対露政策を考える会」は2004年2月13日、緊急提言委員会より独立し、現在は「特別研究プロジェクト」の一つとして活動している。

また、2003年にはイラクの大量破壊兵器保有疑惑、北朝鮮の核開発疑惑など国際情勢が危機的状況を迎える中、「イラク問題について米国の立場と行動を支持する」との緊急提言を有志39名の連名により、2月20日付けで新聞発表した。この反響は大きく、21日朝の読売、産経、ジャパンタイムズ等各紙が本件を大きく報道したほか、雑誌『世界週報』にもアピール全文と署名者名が掲載された。

2009年4月30日には、緊急アピール「対露領土交渉の基本的立場を崩してはならない」を国民各界を代表する92名の連名により発表した。この緊急アピールは時事通信により即日内外に配信されたほか、翌朝の読売新聞、朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞、北海道新聞、The Japan Times等によって広く報道され、また、緊急アピールの全文およびその署名者名簿は、5月11日付けの全国紙4紙の朝刊に意見広告として掲載された。

また、緊急提言委員会は、緊急提言委員だけでなく、政策委員にも随時参加を呼びかけて、拡大緊急提言委員会を開催し、内外のキーパーソンを招くなどして、国際問題の機微についてヒヤリングし、あるいは自由討議している。2006年12月21日には、麻生太郎外務大臣の「北方領土、面積折半返還」発言について緊急協議し、谷内正太郎外務事務次官をつうじて麻生外務大臣、安倍晋三総理大臣に緊急提言委員会の見解を申し入れた。

2007年3月22日には、拡大緊急提言委員会を開催し、靖国神社参拝問題などのいわゆる「歴史認識」問題をめぐって意見交換を行った。

 

【緊急提言委員名簿】

<緊急提言委員長> <副緊急提言委員長> <緊急提言委員>
田久保 忠衛 理事
田久保忠衛
副緊急提言委員長
平林 博
今井  敬
小笠原敏晶
金森 久雄
斎藤  彰
斎藤  勉
島田 晴雄
中田 正博
袴田 茂樹
半田 晴久
茂木賢三郎
森本  敏
屋山 太郎
伊藤 憲一
渡辺  繭
矢野 卓也
(五十音順

【対露政策を考える会】

緊急提言委員会は、日本政府の対露領土問題交渉の基本方針がそれまで一貫して追及してきた「四島一括返還論」から逸脱し、「二島先行返還」の可能性を模索する方向へと軌道変更しつつあるやにみられたことに危機感を高め、同憂の士を糾合する形で2001年4月9日に緊急提言委員会附属の作業部会として「対露政策を考える会」(末次一郎座長)を発足させた。

同会は2001年4月から6月にかけて3回にわたり研究会合を開催した後、メンバー10名の連名により「日本は二島先行返還論に拘らず、東京宣言を原点として四島の帰属問題を解決せよ」との「対露政策に関する緊急アピール」を6月29日に発表した。

このアピールに置名したのは、末次一郎、袴田茂樹、飯田健一、伊藤憲一、佐瀬昌盛、澤英武、田久保忠衛、田中明彦、吹浦忠正、渡邉昭夫の10名であった。

その後、末次一郎座長が死去したが、同会は2002年2月に活動を再開し、新しく袴田茂樹座長代行を座長に選任した。

対露政策に関する緊急アピール

「対露政策に関する緊急アピール」 (2001年6月29日発表)