北朝鮮による韓国のヨンピョン島への砲撃を受けて、政府は、朝鮮学校を高校授業料の実質無償化の対象にするかどうかの審査を当面停止する方針を決めました。これに対し、朝鮮学校の関係者は「生徒たちと朝鮮半島の事態は関係がない」と述べて、無償化の制度適用を訴えました。
文部科学省は、高校授業料の無償化を判断する際の審査基準を検討し、「個別の教育内容は問わない」として、朝鮮学校も無償化の対象に含める方針でした。しかし、今回の北朝鮮の砲撃を受けて、菅総理大臣は、朝鮮学校について審査の手続きを停止するよう高木文部科学大臣に指示しました。これを受けて朝鮮学校の関係者が25日、都内で記者会見を開き、全国朝鮮高級学校校長会のシン・ギルン会長は「生徒たちは日本の地域社会に貢献し、国際社会でも活躍できるよう勉学に励んでいる。生徒たちと朝鮮半島の事態はまったく関係がなく、朝鮮学校に無償化の制度を適用するよう、せつに願います」と訴えました。朝鮮学校に通うリム・ソルチュさんは「とても複雑な気持ちです。わたしの夢は日朝の懸け橋になることで、一生懸命勉強するので、どうか無償化の制度を適用してほしいと思います」と話しました。朝鮮学校のうち日本の高校に当たる高級学校は全国に10ありますが、今のところ文部科学省側から手続きの停止に関する説明はないということで、すべての学校が今月30日までに無償化適用の申請を行う予定だということです。