伊世界遺産、学生らが相次ぎ占拠 教育予算削減に抗議【アテネ共同】イタリア全土で25日、教育予算削減に反対する教員や大学生らのデモ・集会が行われ、首都ローマのコロシアム、中部ピサの斜塔(いずれも世界遺産)がデモ隊に相次いで一時占拠された。政府は削減法案を30日に議会採決する予定だが、激化する抗議行動に採決延期を余儀なくされるとの見通しも出てきた。 ANSA通信などが伝えた。元盟友のフィーニ下院議長派の政権離脱で崩壊の危機に立つベルルスコーニ内閣にとって、さらなる打撃だ。 ピサでは学生ら約2千人が「人間の鎖」をつくり斜塔を包囲。観光客らを締め出した上、一部が斜塔に上り予算削減を伴う改革への反対を訴える横断幕を掲げた。コロシアムでも一部を占拠し、発炎筒をたいて気勢を上げた。 ローマでは24日にも、デモ隊数十人が上院内に突入。玄関にいた警官隊との衝突で双方に計15人のけが人が出たばかり。 25日には南部ナポリ、シチリア島のパレルモでも抗議行動が行われた。教育予算削減は欧州の財政危機を受けた政府の緊縮策の一環だが、非常勤教師の失業や研究費カットにつながるとして強い反対が出ている。 【共同通信】
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