北朝鮮砲撃:K9の半分が故障、残りも性能発揮できず
世界トップクラスの性能を誇るK9自走砲の弱々しい姿
「その程度しか使えないのか」(李明博〈イ・ミョンバク〉大統領)
大統領府の関係者は25日、「大統領府で行われた会議の際、李大統領は“延坪島に展開する部隊に配備された自走砲の数は6門”という報告を受け、非常に驚いていた」と述べた。
この関係者はさらに、「K9は1分当たり6発発射できることになっているが、当時は1分間に1発しか撃てなかった。李大統領がこの原因を問い詰めると、ある参謀は、“K9は理論上では最初の3分間には1分当たり6発、その後は砲身が熱くなるため、1分間に2発しか撃てなくなる。しかし、実際には1分間に1発しか撃てない”と説明した」と述べ、会議でのやりとりを明らかにした。
西海(黄海)に浮かぶ延坪島が朝鮮人民軍から攻撃を受けた際、韓国軍砲兵による反撃の状況を分析したところ、平均で1分30秒に1発の割合で応戦していたことが分かった。そのため、韓国軍は本当に最善を尽くしたのか、問題視されている。
また、延坪島には6門のK9が配備されているが、最初に反撃を行ったK9は、当初伝えられた4門ではなく、実際には3門だったことも分かった。当時、延坪部隊は4門を南西に向けて訓練を行っており、北朝鮮側に向けて待機していたのはわずか2門だった。
合同参謀本部の関係者は25日、定例会見で、「敵から奇襲攻撃を受けた際、2門は電子回路が故障して使えず、1門は訓練の際の不発弾の影響で作動しなかった。午後3時6分ごろに故障していた1門を修理し、第2次反撃では4門が応戦した」と説明した。つまり、最初に反撃を行う時点では、配備されていたK9のうち半分が使えなかったというわけだ。
K9はこれまで韓国軍が、「世界最高レベルの性能を持つ155ミリ自走砲」と自負してきた兵器だ。最大砲撃速度は1分間に6発とされ、数字の上では世界トップレベルだ。当時、延坪部隊の砲兵は44分間に2回応戦したが、理論的には6門あれば1584発を発射できるはずだ。ところが実際は、その通りにはいかなかった。
ある砲兵は、「K9自走砲の最大発射速度は1分当たり6発となっているが、これが可能なのは最初の3分間だけで、その後はこれが1分当たり2発になる」と説明する。
この砲兵は、「砲身に熱が加わると爆発する危険性が高まり、正確な砲撃もできなくなるため、たとえ戦時下でも、最大砲撃速度で砲撃できる可能性は低い。延坪島でも事情は同じだ」と説明した。
- 23日に北朝鮮から突然の砲撃を受けた延坪島のK9自走砲陣地。コンクリート構造物には無数の銃撃痕が残っている。24日撮影。/国会写真記者団
張一鉉(チャン・イルヒョン)記者