北朝鮮砲撃:国防長官と国防秘書官、更迭の背景(下)

「戦闘拡大を自制しろと指示された」 決定的原因は金国防長官の発言

 大統領府が独自調査した結果、軍の報道官を通じ「そうした発言があった」と伝わる過程で、この日、金長官と共に事実上更迭されたキム・ビョンギ国防秘書官が関与していたことが分かった。

 大統領府は正式には言及していないが、金長官が翌日、国会に出席し「大統領から『戦闘拡大自制』を指示された」と発言したのも、事実上の更迭の要因になったと思われる。大統領府の関係者は「国防長官は国会であのように答弁したことで、多くの国民が『大統領は実際にそのような指示をした』と信じるようになった。その結果、政権に多大な負担がかかるほど大きな世論の批判を大統領府が受けることになった」と話す。

 李大統領は23日、北朝鮮による延坪島砲撃開始直後に招集した緊急外交・安全保障関連閣僚会議に金長官が出席しなかったため、「国防長官はどこにいるのか」と尋ねた。そして、金長官は国会予算決算委員会で答弁するため待機していると聞き、「今そんな場合か」と不満を漏らしたとのことだ。

 李大統領は、まだ今回の事態が収拾されていない状況で国防長官を更迭するかどうかについて悩んでいたが、25日夜に大統領府の独自調査結果報告を受け、最終的に更迭を決めた。

 昨年9月23日に就任した金長官は、哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃などに次々と見舞われ、結局1年2カ月で不名誉な退陣を余儀なくされた。

 しかし、政治的なセンスは決して悪くない金長官が、延坪島砲撃当日の23日、大統領府で既に正式に否定していた「戦闘拡大自制」発言を、なぜ翌日の国会で間違って「正しい」と認めたかについては、依然として疑問が残る。

権大烈(クォン・デヨル)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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