北朝鮮砲撃:米空母艦隊、北朝鮮全土を攻撃可能

28日から西海で韓米合同軍事演習

 28日から四日間にわたり西海(黄海)で行われる韓米合同軍事演習は、北朝鮮による延坪島砲撃に対する警告の意味合いも込められている。合同参謀本部の関係者は、「これは以前から計画されていた訓練だ。しかし、今回の延坪島砲撃の影響で、そのレベルや詳しい内容はやや変更されるだろう」と述べた。

 24日に横須賀基地を出航した米原子力空母ジョージ・ワシントンは、全長360メートル、高さ81メートル、排水量9万7000トンで、乗組員6000人以上を擁している。現在、米第7艦隊に所属しており、文字通り小さな町といえるほどの規模だ。戦略爆撃機FA-18が20機以上をはじめ、早期警戒機も5、6機、さらには巡航ミサイル・トマホークも搭載しており、非常に強大な攻撃力も備えている。韓国海軍の関係者はジョージ・ワシントンについて、「一つの地域を一瞬にして焼け野原にできるほどの能力を持つ」と説明する。

 ジョージ・ワシントンだけではない。9600トン級のミサイル巡洋艦カウペンス、9750トン級のイージス艦シャイロ、ステダム、ミサイル駆逐艦フィッツジェラルドなどが、ジョージ・ワシントンと共に大艦隊を構成し、今回の演習期間中、西海を航行する予定だ。国防部の関係者は、「北朝鮮はこの艦隊が西海を航行するだけでも、大きな脅威を感じるだろう」と語る。空母から出撃する戦闘機は、いつでも北朝鮮全域を正確に攻撃することができ、偵察や監視のための装備は、北朝鮮の前戦の状況を詳しく把握することができるからだ。韓国海軍からは4500トン級の駆逐艦(KDX2)2隻に、哨戒艦、護衛艦、輸送艦、対潜哨戒機P3Cなどが参加する。国防部は今回の訓練計画を発表する際、「今回の軍事演習は防空能力と水上戦能力を高めることを中心に行われ、北朝鮮に対する抑止力の強化や、地域の安定を高めることも目的としている」と説明した。

 オバマ大統領は23日にホワイトハウスで開催された緊急の閣僚会議で、ジョージ・ワシントンを直ちに西海へ派遣する決定を下した。これは、北朝鮮よりも中国に対する強いメッセージが込められている。つまり、北朝鮮への圧力に前向きに取り組むよう求めているのだ。

 24日付米紙ワシントン・ポストの社説の見出しは、「北朝鮮抑止-米国の外交は平壌ではなく北京に向かうべき」だった。オバマ大統領をはじめとして議会、軍、シンクタンクに至るまで、異口同音に「今回の問題を引き起こした北朝鮮に責任を追及し、これ以上緊張を高めるような行動を起こさせないためには、中国が積極的に動かなければならない」と主張している。

 オバマ大統領、マレン統合参謀本部議長、バーマン下院外交委員長らの発言も、そのポイントはクローリー国務省広報担当次官補が24日の会見で発言した内容と一致している。つまり、「中国は北朝鮮を根本的に違った方向へと動かす中心軸」ということだ。北朝鮮が民家の密集地域を狙って砲撃を行った今回の事件は、今年3月に北朝鮮が哨戒艦「天安」を沈没させた事件とは明らかに異なる、との判断も根底にはある。ワシントンの消息筋は、「今のようにデリケートかつ複雑な状況の中、空母ジョージ・ワシントンの動きは、北朝鮮に対しては武力の誇示、中国に対しては北朝鮮に圧力をかけるよう求めるメッセージが込められている」と述べた。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

【ニュース特集】北朝鮮砲撃、緊張高まる韓半島

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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