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広島五輪招致、「年内決断」延期を検討 秋葉市長 '10/11/12

 ▽世論調査受け判断

 2020年夏季五輪の招致を検討している広島市の秋葉忠利市長は11日、「年内」としてきた招致の決断期限を「遅らせることも検討する」との考えを示した。招致に反対する意見が賛成を上回り、多くが「説明不足」と回答した世論調査の報道を踏まえて判断した。

 ▽「時間かけ説明」

 中国新聞の取材に対し秋葉市長は、国内候補都市を決める日本オリンピック委員会(JOC)の了解が判断延期の条件とした上で、「まだまだ時間をかけて多くの人に説明する必要がある。市民の理解が一番大事で絶対条件だ」と明言した。

 秋葉市長は、中国新聞社の電話世論調査で招致に反対と回答した44・5%と、市の説明が「不十分だと思う」との回答45・8%がほぼ同じだと指摘。「その反対の人たちに十分説明することで考えを変えてもらえる」との認識を示した。

 収入源に見込む1千億円近い寄付の実現性を85・7%が「できないと思う」と回答した点にも言及。秋葉市長は、自身が会長を務める平和市長会議の加盟都市が10年間で10倍以上に増えたことを挙げ、被爆地広島の影響力の大きさを指摘し「世界中の協力を得て10年かければ十分可能だ」と力説した。

 世論調査では、五輪計画案の市の説明について「不十分だと思う」が45・8%、「どちらかと言えば不十分だと思う」も40・0%に上り、市の説明に理解を示したのは1割だった。(藤村潤平)




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