「デオデオ」や「エイデン」「イシマル(石丸電気)」の店舗名で全国展開する家電量販店大手「エディオン」(大阪市)が、家電メーカーなど納入業者に従業員派遣を強要した疑いが強まったとして、公正取引委員会は16日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで本社や店舗など約20カ所を立ち入り検査した。
公取委が同容疑で家電量販店業界に立ち入るのは07年のヤマダ電機に続き2件目で、「優越的地位の乱用」が今年1月施行の改正独禁法で課徴金対象になってからは初めて。
関係者によると、エ社は遅くとも08年7月ごろから、店舗の新規・改装オープンに合わせ家電メーカーなどに派遣を強要。オープン前の準備期間に商品運搬や陳列をさせたり、オープン後他社製品も含めた接客をさせた疑い。安売りセールに合わせ、不当に値引きさせた疑いもある。
エ社は中国・四国・九州地方で「デオデオ」、中部で「エイデン」、近畿で「ミドリ」、関東で「イシマル」の店舗名で展開し、北陸・北海道の「100満ボルト」も傘下に持つ。同社ホームページによると、グループの店舗数は3月で計1101店。売上高は約8200億円とヤマダ電機に次ぐ業界2位。
関係者によると、公取委は、ヤマダ電機への立ち入りなどを機に家電量販店業界や他業界でも納入業者との関係見直しを進める会社が増える中、エ社は従業員派遣の強要を続けていた疑いがあるとみている。エ社は「立ち入り検査があったのは事実で、全面的に協力したい」とコメントしている。【桐野耕一】
毎日新聞 2010年11月16日 12時15分(最終更新 11月16日 13時18分)