二葉山トンネル(広島市東区)の建設に住民の反対運動が起きている広島高速5号について、事業主体の広島高速道路公社が、完成予定を当初の2012年度から13年度に延期する方針を固めたことが15日、分かった。地盤沈下の影響を調査する同トンネルの安全検討委員会の議論が長引いているのが主な原因。
高速5号は、JR広島駅北口と、山陽自動車道につながる高速1号温品ジャンクション(JCT)を結ぶ延長4キロ区間。総事業費739億円を見込み、09年度までに用地買収などで約520億円を投じている。5号を当初の予定通り12年度に完成させるには、本年度中の着工が必要となる。
だが、14日に中区であった安全検討委の会合で、公社に50%ずつ出資している広島県、市でつくる事務局は「検討状況を踏まえると、本年度中の結論は無理。11年度の早い時期にまとめてほしい」と申し出た。議論の結果、最終的に吉国洋委員長(広島大名誉教授)が11年度末までに結論を出す方針でまとめた。
二葉山トンネルの建設をめぐっては、住宅地の真下を貫くことから、住民から地盤沈下の懸念が出ている。本年度中の着工を目指す広島高速道路公社は、今秋に地質や地下水脈を分析する追加ボーリング調査をする予定だったが、住民の反発で着手できていない。
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