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恐喝事件:女性検事「ぶち切れますよ」 調書署名拒否され

 福岡市発注の公共工事を巡り、下請け業者らが暴力団幹部と共謀して孫請け業者から車を脅し取ったとする事件で、恐喝罪に問われた同市東区、無職、仲貢(なか・みつぐ)被告(51)の公判が25日、福岡地裁(吉崎佳弥裁判官)であった。

 当時自白調書を作成した女性検事(32)が証人出廷し、調書への署名を断った仲被告に「ぶち切れますよ」と言ったことを認めた。仲被告は最終的に自白調書に署名したが、公判で否認に転じた。弁護側は「暴言や誘導的な調べで調書の任意性が疑われる」と主張。地裁は調書の採否を見送っており、証拠として認めるかどうか、地裁の判断が注目される。

 また、女性検事は仲被告の取り調べ時に作成したメモを「個人的なメモなので破棄した」と述べた。取り調べのメモ保管について最高検は08年10月、適正管理を求める通知を出している。

 検事の証言によると、仲被告は取り調べに対し、恐喝事件の被害者とされる男性にも問題があると度々主張していたという。検事は「正直、女性で経験も浅く足元を見られていると感じた」とも述べた。

 検事が「ぶち切れますよ」と言ったのは仲被告ら4人が起訴される数日前。仲被告以外は否認しており、起訴時は仲被告以外の自白調書はなかったという。

 起訴状によると、仲被告ら4人は09年6月、下水道工事(契約額約1億円)の孫請け業者だった建設会社社長を福岡市東区の飲食店に呼び出し「おまえの態度によっちゃ仕事できんごとするぞ」などと脅し、社長の高級外車1台(時価約200万円)を脅し取ったとされる。【岸達也】

毎日新聞 2010年11月26日 2時30分(最終更新 11月26日 2時51分)

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