尖閣諸島沖の衝突事件の映像が流出した問題で、映像を流出させた海上保安官が捜査当局の任意の事情聴取に対し、「動画投稿サイトに投稿する前に、動画の入った記憶媒体をアメリカの報道機関の東京支局に送った」などと話していることが、捜査関係者への取材でわかりました。
この問題で、警視庁と東京地検は、神戸海上保安部の43歳の海上保安官が衝突事件の映像を職場の共用パソコンから入手した疑いがあることから、国家公務員法の守秘義務違反に当たるとみて捜査を進めています。これまでの警視庁と東京地検の任意の事情聴取に対し、海上保安官は「今月4日に映像を動画投稿サイトに投稿する前に、動画を記録した記憶媒体をアメリカの報道機関、CNNの東京支局に送った」と話していることが、捜査関係者への取材でわかりました。警視庁などの調べによりますと、記憶媒体は郵送でCNNに届きましたが、封筒に差出人の名前はなく、映像についての説明文も同封されていなかったということで、CNNを選んだ理由について海上保安官は話していないということです。警視庁と東京地検は、海上保安官が郵送した映像が報道されなかったことから、みずから映像を流出させた可能性もあるとみて、さらに詳しく調べています。これについて、CNNの広報担当者は「この件についてコメントできない」と話しています。