広島県内の高速道で、逆走する車が後を絶たない。逆走車の認知件数は今年に入って30件を超え、昨年を上回るペースとなっている。自動料金収受システム(ETC)割引の定着などで、不慣れなドライバーの利用が増えているためとみられる。他車を巻き込んで重大事故につながりかねず、県警は注意を呼び掛けている。
県警によると、県内の山陽自動車道や中国自動車道路で確認した逆走車の件数は2008年に30件、09年に34件と推移。今年も増加傾向が続き、17日時点で31件と昨年同期を2件上回っている。
県警が実際に逆走したドライバーを確保したケースは06年以降、39人に上る。うち65歳以上は27人で、全体の7割を占める。逆走したドライバーは「行き先を間違え、料金所付近でUターンした」「中央分離帯のすき間から反対車線に入った」などと説明しているという。
逆走による事故も06年以降、計6件発生。今年8月には、山陽道福山東インターチェンジ(IC、福山市)の流入路で逆走した軽乗用車がトラックと正面衝突。軽乗用車を運転していた20代の男性が骨折など重傷を負った。
県警などは逆走車を確認した場合、高速道路にある情報板で発生を走行中のドライバーに知らせている。「案内表示に注意しながら運転してほしい」としている。
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