定期路線がゼロになった広島県営広島西飛行場(広島市西区)について、市営存続の可能性を探る市の「あり方検討委員会」が18日、東京線復活を念頭にした存続への提言書を秋葉忠利市長に提出した。秋葉市長は、市営での存続か、県提案のヘリポート化かを年内に最終判断する。
委員長の小見志郎県立広島大教授(都市経営論)が「東京線は確実な需要が見込まれる。あらゆる可能性を想定し、提言の実現に努力してほしい」と述べた。秋葉市長は「提言を尊重する方向で検討したい」と答えた。
提言では、2013年度までの羽田空港発着枠の拡大に伴い、100席以下の小型ジェット機に発着枠が配分されると想定。東京便を基幹路線に1日3、4往復の運航が実現すれば採算が見込めるとした。路線誘致に向け、航空事業者への戦略的アプローチの必要性を強調している。
昨年度は4億7500万円の赤字だった管理運営費(県と市が折半で負担)は、ターミナルビルの活用など多角的事業との一体運営で2億2060万円まで圧縮できるとの試算を提示。市の負担額は市営化後もこれまでとほぼ同程度とした。
大学教授や航空会社幹部、旅行会社の担当者たち9人でつくる検討委は7月から3回の会合を開催。路線展開や地域活性化、管理運営効率化を議論した。西飛行場の存廃をめぐっては、共同運営する県が昨年10月、巨額の赤字や定期路線廃止を理由に、本年度での撤退方針を市に通告した。
【写真説明】広島西飛行場の市営存続に向けた提言書を秋葉市長(右)に手渡す小見委員長
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